■「塩辛の町」として有名な港町・江景で食べた絶品の塩辛定食

 サンシャインスタジオからタクシーで20分ほどのところに、江景(カンギョン)という港町がある。平壌大邱と並び朝鮮3大市場のひとつだった。特に西海(ソヘ)の新鮮な魚介類を使った塩辛の生産地として有名で、「江景=塩辛の町」として全国にその名を馳せた。

 毎年10月に開催される塩辛祭りには、キムジャン(家庭や食堂で1年分のキムチを漬け込む国民的行事)を前に良質な塩辛を求めて全国から観光客がつめかける。

「塩辛の町」として名高い江景の市場には数多くの塩辛が並んでおり食欲をそそる

 そんな江景の食堂で10年前に食べた塩辛定食の美味しさが忘れられず、その店を再訪した。

「1人客にはご飯の上に4~5種類の塩辛をトッピングした塩辛ビビンバがある」と勧められたが、豊富な種類の塩辛をいろいろ味わってみたいので、12種類の塩辛が提供される塩辛定食を2人前注文した。

 イカ、チャンジャ(鱈の内臓)のほか、ホタテや数の子など珍しい塩辛のオンパレードだ。特にゴマ油をかけたタラコの塩辛の味は格別でまさに米泥棒だ。

12種類の塩辛を味わえる塩辛定食はごはんが止まらなくなるほど美味しい

 塩辛というとしょっぱいイメージが強いが、江景の塩辛は、塩分控えめで素材の味が引き立つのが特長だ。懐かしの味に舌鼓を打った。

「日本からのお客さんが年中来てくれるのよ」と自慢げに話す店主ご夫婦の人柄も魅力的だ。

●論山へのアクセス

ソウル高速バスターミナルから論山高速バスターミナルまで約2時間10分