いま話題の日本ドラマ『Eye Love You』で、「チェ・ジョンヒョプが演じる韓国人留学生テオの話す韓国語を理解したい」というファンが急増している。

 以前から、韓国ドラマK-POPなどの韓流エンタメがきっかけで韓国語に関心を持つ人は多かったが、Netflixなどの配信ドラマ人気やBTSの世界的成功などを受けて、最近はさらに韓国語の学習熱が高まっている。

 そんな韓流エンタメ好きに最適な韓国語入門エッセイ『新版 韓国ドラマ&K-POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本』が刊行される。本書の特徴はどこにあるのか。著者の康熙奉(カン・ヒボン)氏に話を伺った。

■「韓流エンタメを教材にすれば、もっと興味深く韓国語の学習を続けられる」

――韓国語を学びたいという人が本当に増えていますね。

康熙奉(以下、康)「韓国ドラマやK-POPの盛り上がりが契機になっていると思います。たとえば、韓国ドラマが好きなら、字幕に頼るだけではなく実際にセリフを聞き取ってみたいとか。あるいは、K-POPがこれだけ人気になれば、歌詞を理解したりスターの挨拶に反応したりしたいと願う人がとても多いと思います。やはり、韓流の盛り上がりが日本で韓国語学習熱を高めていると感じます」

――韓国語を学びたいという方々にどんなアドバイスをしたいですか。

「韓流エンタメを教材にすれば、もっと興味深く韓国語の学習を続けられる、ということを伝えたいですね。本来、外国語の学習というのは基本的な文法から入っていく例が多いかもしれませんが、韓流が好きであれば、ダイレクトにエンタメをテキストにしたほうが絶対に面白いですよ。そういう目的で2000年に私は『かんたん韓国語読本』の初版を発行しました。本書では、韓流エンタメをどんどんテキストに採用していきました」

――読者の反応はいかがでしたか。

「従来の文法から入っていくスタイルとは明らかに違いましたが、読者の反応がとても良かったです。おかげさまで何度も増刷になりました。やはり、学ぶ際の例文にエンタメの要素を入れていったのが、読者が親しみを持ってくださった理由だと思います」

――初版から4年経って新版を作った狙いとは?

「この4年で韓流の環境も変わってきました。コロナ禍の中で配信サービスが充実したりK-POPの新しいスターが誕生したりして、韓流ファンも一気に増えました。とても嬉しいことなのですが、やっぱり言葉は生きものですからね。新しく必要な要素がどんどん増えてくるのです。そこで、新版にしてさらに内容を充実させたいと思いました」

――具体的にはどういう内容が増えましたか。

「たとえば、SNSを使っている人はよく略語を使うのでその代表的なものを入れたり、スターの出身地や有名なロケ地を調べる際には絶対に韓国の地名が欠かせないので、一目でわかるように韓国の地名を例示したり……。あるいは、時代劇を見る際によく出てくる古めかしい言葉も取り上げたら面白いと思いました。初版ではまだ足りなかった部分を大幅に加筆することで、新版は今のトレンドにふさわしい内容になったのではないでしょうか」