Netflixで配信中のドラマ『涙の女王』は、デパートを経営する財閥の娘ホン・ヘイン(キム・ジウォン/『私の解放日誌』)と、地方のスーパーマーケットの息子ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン/『サイコだけど大丈夫』)のラブストーリーだ。

 本作は、約2年のブランクを経て撮影に臨んだキム・スヒョンをはじめとする豪華キャストが話題になっている。そのいくつかを紹介しよう。

■『涙の女王』主演キム・スヒョン、スパイ映画『シークレット・ミッション』ではパク・ウンビンと共演も

 キム・スヒョンの出世作といえば、映画『猟奇的な彼女』(2001年)で2000年代初頭から日本でも知られているチョン・ジヒョンと共演したファンタジーロマンス『星から来たあなた』(2013年~2014年)だ。キム・スヒョンは400年も孤独に生きてきた異星人に扮して、ドラマは大ヒット。一躍、アジアのトップスターとなった。

『星から来たあなた』は、中国では社会現象と言われるほどヒットし、若者のライフスタイルを変えたとまで言われたドラマだ。

 たとえば、劇中、PPL(間接広告)としてフライドチキンとビール(メクチュ)を楽しむシーンがたびたび出てきたため、中国ではビールのつまみとして一般的だった羊肉の串焼きが、チキンにとって代わられるほどだった。

中国吉林省で食べた羊肉串。これはこれで大変美味しく、筆者は1週間ほどの滞在中3度も食べた

 ドラマでキム・スヒョンを知った人に観てほしいのが、彼の映画デビュー作『10人の泥棒たち』(2012年)だ。ブルース・リーを彷彿とさせる肉体美と、のちに『星から来たあなた』で共演するチョン・ジヒョンとのマカオ香港での束の間のラブアフェアは見ものである。

 また、北朝鮮から韓国に来た“固定スパイ”を演じた映画『シークレット・ミッョン』(2013年)では、タルトンネシュポ(食料雑貨店)の偽装ドジな雑役婦の姿と、本来のスパイとしての華麗なアクションを観ることができる。本作の下町のマドンナ役にはパク・ウンビン(『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』)が扮していて、キム・スヒョンとのからみも見ものである。