キム・スヒョンキム・ジウォンの主演ドラマ『涙の女王』は、韓国tvNで週末の土日に放送、Netflixで日本を始め世界各国で配信されていて、世界的に大ヒット中だ。

 物語は、財閥クイーンズグループのデパート部門を仕切るホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、同グループの法務部で辣腕をふるうペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)の「紆余曲折がある夫婦関係」を描いている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix『涙の女王』のもう一つの見どころは?地方の農村に暮らすヒョヌの家族に注目!

 物語の前半では財閥家の派手な生活ぶりを延々と見せていた。その対比として描かれるのがヒョヌの実家である「龍頭里(ヨンドゥリ)」だ。

 ここは典型的な農村地帯であり、梨やリンゴを栽培する人たちが多い。その中でヒョヌの実家は梨畑を持ち、スーパーを経営している。

 父親のペク・ドゥグァン(チョン・ベス)は龍頭里の里長をしており、その肩書を守るために四苦八苦している。とても世間体を気にする男だ。

 母親のチョン・ボンエ(ファン・ヨンヒ)はスーパーの主人を兼ねていて、本当に心優しい母親だ。ヒョヌのことを一番に考えており、財閥家の婿になった息子を気遣っている。彼女はヘインの母親キム・ソンファ(ナ・ヨンヒ)にいつも冷たくあしらわれているのだが、じっと耐えて息子の無事をひたすら願っている。

 ヒョヌのすぐ上の兄ペク・ヒョンテ(キム・ドヒョン)はボクシングジムを運営している。いつも落ち着きのない男で、子供がいるのに生活力がなさそうだ。それでも、どこか憎めないところがある。

 むしろ、やり手なのが姉のペク・ミソン(チャン・ユンジュ)だ。美容院を経営していて、夫は息子の留学に付き添ってアメリカに滞在している。そのための費用はすべてミソンが出しており、美容院の売り上げをなんとしても上げなければならない。

 それだけに、ヒョヌがもしヘインと別れたら一大事なのだ。財閥家からの援助を期待できないからだ。それゆえ、ミソンはヒョヌが無事に財閥家の婿として安泰であることを願い続けている。その事情はヒョンテも同じだ。

 とはいえ、ミソンはヒョンテと違って、世間をよくわきまえている。驚いたのは第1話での会話だ。離婚を決意していたヒョヌに思いとどまるように説得するとき、ミソンは譲寧(ヤンニョン)大君の話を出していた。

 それは、弟を大学へ行かせるためにあえて不良を装って進学を断念した、という自分の昔のことを話題にしたのだ。