キム・スヒョンを見ていてよく感じるのは「裏も表もない俳優」ということだ。多様性のある演技が求められる中でも、キム・スヒョンの誠実さは隠すことができない。それはまさに生まれ持ったものなのだ。
キム・ジウォンと共演しているNetflix『涙の女王』でも、キム・スヒョンの演技には人間性がいつもにじみ出ている。
■『涙の女王』主演キム・スヒョンの演技の魅力とは?青春群像劇『ドリームハイ』からトップ俳優へ
思い出すのは、鮮烈に大ブレークした2011年のドラマ『ドリームハイ』である。
キム・スヒョンは主人公ソン・サムドンの役に抜擢された。このドラマは、スターを育成する学校を舞台に若者たちの青春と苦悩を描いた青春群像劇だったが、主要キャストには、スジ、テギョン(2PM)、IUなど、人気のK-POPアーティストやアイドルが集結していた。
その中で俳優出身であるキム・スヒョンの存在感は格別だった。彼はダンスも歌も初めての経験だったそうだが、共演するアーティストたちに負けない実力を見せていた。
「この作品は僕にとって大きな挑戦です。演技と同時に歌や踊りも……。なんとしても、情熱を持って青春ドラマ『ドリームハイ』に全力を注ぎます!」
キム・スヒョンはこの言葉通り、ほとばしるほど情熱的な演技を見せて高い評価を受けた。その際にも「人間味」を存分に示してくれた。
以後の彼の活躍はいまさら説明が要らない。そうした大成した姿をずっと見てきたが、生のステージで感嘆したのは、「KIM SOO HYUN 15th Anniversary FAN MEETING ~always special day~」が2022年10月 9日に川崎市の「カルッツかわさき」で開催されたときだ。
まさに、キム・スヒョンの人柄の良さに酔いしれる時間だった。彼は白いスーツを颯爽と着てステージに現れたが、何度も披露した歌唱力が抜群で、俳優で歌がこれほどうまいと「人生が楽しいだろうなあ」と思わずにはいられなかった。
ファンからの質問に答えるコーナーで「リフレッシュ方法は?」と問われて「掃除です」と答えていた。彼の几帳面さがうかがえる一幕であった。さらに感心したのがファンサービスの徹底ぶりだ。
終盤になって「汗をかいたので」という理由で一度バックステージに戻ったと思ったら、急に3階席に姿を見せた。その瞬間の観客たちの興奮ぶり。一気に最高潮に達する演出だった。こうしてファンミーティングを通して、キム・スヒョンの人柄の良さ、歌のうまさ、実直な性格、ファンを大事にする気持ちが感じられた。