■寧越を地の観光タクシーで巡る

 そんな寧越を効率よく観光するための手段としてお勧めしたいのが観光タクシーだ。

「寧越観光タクシー」は、寧越駅または寧越バスターミナル発着で3時間、5時間、8時間のコースが用意されており、しかも費用の一部を寧越郡がサポートしてくれるというありがたい特典もある。モデルコースも用意されているが、自分で組み立てたフリープランで回ることもできる。韓国語のみではあるが、インターネットで予約できるのもありがたい。

 今回は5時間のフリープランで、既存の酒博物館と美術館を融合させた「若い月Yパーク」という複合芸術空間、再度訪問したかった「荘陵」、寧越名物の葛ククス)の昼食をはさみ、4億年以上前に形成されたという「高氏洞窟」という3つの観光地を回ってもらった。

複合芸術空間「若い月Yパーク」の展示作品「赤い竹」と寧越の山々のコラボレーションがたまらない

 ドライバーはとても親切で、見えてくる山の名前を教えてくれたり、川の上に渡されている筒状のパイプが何かと尋ねると、「山からセメントを運ぶためのものだ」と教えてくれたりした。

 観光タクシーを利用した場合、一部の有料施設の入場料が割引になる。本来1万5千ウォンの入場料である「若い月Yパーク」は、ドライバーが観光タクシー利用であることをスタッフに伝えてくれたので1万ウォンとなった。

 朝鮮王朝第6代王・端宗の墓である「荘陵」で入場料を支払っていると、ドライバーが日本語のパンフレットをもらってくれた。

「朝食が遅かったから、昼食は食べない」と言われたので一人で葛ククスを食べたのだが、ドライバーはいつの間にか昼食代を支払ってくれていた。恐縮しながらお礼を告げたところ、「わざわざ遠い日本から寧越を再訪してくれて、本当にありがとうございます」と、逆にお礼を言われてしまった。

 こんな温かい心遣いを受けたら、またすぐにでも寧越を訪問したくなる。

寧越名物の葛を練りこんだ冷麺とジャガイモチヂミ

●寧越へのアクセス

ソウル・清凉里駅からITXセマウルで約1時間50分、ムグンファで約2時間20分、

東ソウル総合バスターミナルから寧越市外バスターミナルまで約2時間35分

寧越観光タクシー https://yeongwoltour.modoo.at/