■マ・ドンソクのサイドストーリーが泣けるプロ野球映画『パーフェクトゲーム』(2011年)
韓国プロ野球、釜山ロッテジャイアンツのエース(チョ・スンウ)と光州ヘテタイガースのエース(ヤン・ドングン)のライバル関係(崔東原と染宣銅烈の実話がベース)が話の核なのだが、泣けるのはサイドストーリーだ。
マ・ドンソクが扮した捕手は打者としては長年成績不振で、チームでも家庭でも居場所がなかったが……。
マッチョキャラが確立する前のマ・ドンソクは、同年のチェ・ミンシク主演映画『悪いやつら』で彼が扮したにわかヤクザ役同様、強面なのに気弱というキャラが大変印象的だった。本作でもそんな初期の泣かせるマブリーを堪能できる。
助演に、『シグナル』のチョ・ジヌン、『ムービング』のソン・ビョンホなど。
■卓球の南北統一チームの感動物語『ハナ ~奇跡の46日間~』(2011年)
1991年に日本で行われた世界卓球選手権大会で実現した、韓国と北朝鮮の南北統一チームの実話を元にした物語。在日韓国・朝鮮人の間では語り草になっているできごとだ。
南側の一部の選手(オ・ジョンセ)らのいたずらなどで、統一チームは最悪の状況に至るが、最後には北側エース(ペ・ドゥナ)と南側エース(ハ・ジウォン)の間に絆のようなものが芽生える。常に冷静沈着だった北側エースがラストで感情をあふれさせるシーンは在日同胞でなくても、号泣するだろう。
助演に、『ミナリ』のハン・イェリ、『ビッグマウス』のイ・ジョンソクなど。
韓国映画には、スポーツ界の実話を元にした名作がほかにもいくつもある。最近では釜山の高校バスケットボール部の活躍を題材にした『リバウンド』(2023年)が話題を集めている。アン・ジェホン、イ・シニョン、チョン・ジヌン(2AM)らが出演していて、現在日本公開中だ。