Netflixで配信が始まった『Missナイト & Missデイ』は1話前半を観ただけで、心があたたまった。物語のキーになる人物、イム・スン(イ・ジョンウン)がまだ登場していないのにそんなふうに思えたのは、このドラマの舞台が慶尚北道韓国南東部の北寄り)にある地方都市という設定で、観る者をホッとさせる「田舎アイテム」、つまり鄙びた風物がたくさん出てくるからだ。

 パク・ヒョンシク主演『ドクタースランプ』でも、キム・スヒョン主演『涙の女王』でも、田舎の漁村や農村のシーンが緊張感をやわらげる役割を果たしていた。

■『Missナイト & Missデイ』序盤の見どころは?ヒロイン家族の慶尚道訛り、父役にも注目

『Missナイト & Missデイ』は、ひょんなことから20代と50代を、夜と昼で行ったり来たりすることになってしまった就活生の物語だ。

 夜の20代イ・ミジンを演じるのは、『酒飲みな都会の女たち』『応答せよ1997』などのチョン・ウンジ(A pink)。昼の間、50代に変身するイム・スンを演じるのは、『私たちのブルース』『椿の花咲く頃』や映画『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手 約束は海を越えて』『弁護人』などのイ・ジョンウン。

 昼と夜、違う顔を持つ彼女に振り回される敏腕検事ケ・ジウン役に、『皇后の品格』のチェ・ジニョクが扮する。

 本作は脇役も個性派バイプレイヤーが揃う。主人公イ・ミジン(チョン・ウンジ)と彼女の母(チョン・ヨンジュ)の慶尚道訛りを聞いただけでワクワクしたのだが、父役の俳優がチョン・ソギョンだと知った瞬間、このドラマを最後まで観ようと思った。

 チョン・ソギョンと聞いてピンと来なくても、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』4話で、ヨンウ(パク・ウンビン)の親友トン・グラミの父を演じた俳優といえばわかるのでは? 『D.P.-脱走兵追跡官-』シーズン2のジュノ(チョン・ヘイン)を執拗に追い回した捜査官役や、イム・シワン主演『未生~ミセン~』のファン部長役の印象も鮮明だろう。

 豊かとはいえない毛量、記憶に残りにくい顔のパーツとそのバランス。ボソボソと話す人物を演じることが多いが、笑うとかわいい。“生きた田舎アイテム”としての活躍は、ソン・ガンホ主演『タクシー運転手 約束は海を越えて』の自動車修理工役、チョン・ジェヨン主演『さまよう刃』のクリーニング店主人役、キム・イングォン主演『全国のど自慢』の金海(慶尚南道)大会の出場者役、チャ・テヒョン主演『覆面ダルホ 演歌の花道』の演歌歌手マネージャー役、パク・チュンフン主演『ラジオスター』の寧越(江原道)のエンジニア役などで確認できる。