ナム・ジュヒョクとキム・テリ主演のヒットドラマ『二十五、二十一』や、キム・ヘス主演映画『国家が破産する日』の時代背景として描かれていたIMF事態(1990年代後半の金融危機)のとき、「IMFサムギョプサル」という謳い文句で激安サムギョプサルがよく売られていたが、あれも冷凍サムギョプサルだった。
母がミジンに追い討ちかけるように言った「テジコプテギ」とは豚皮のこと。数年前まで豚焼肉の店で、ある程度肉を頼むと無料で出してくれたのだが、最近は諸物価の値上がりで有料化する店も珍しくない。
高級カルビであるチェビチュリがやわらかく肉汁豊かで、旨味もたっぷりなのはもちろんだが、冷凍サムギョプサルは90年代への郷愁も含めて独特の味わいがあるし、テジコプテギは餅のような食感がこぎみよく、ソジュのつまみにぴったりだ。
この夏、日本のみなさんが韓国にいらしたら、ミジンと母の言葉を思い出しながらそれぞれの肉を味わってもらいたい。