Netflix配信の人気ドラマ『Missナイト&Missデイ』は、どういうわけか夜は20代、昼は50代を行ったり来たりすることになってしまった女性、ミジン(チョン・ウンジ/Apink、イ・ジョンウン)の物語だ。
話の骨格はファンタジーロマンスだが、丁寧に登場人物たちが描かれ、彼らが食べるものや飲むものにまで製作者の気持ちが行き届いている良質のドラマである。今回はクライマックスといえる15話から、そんな場面をクローズアップしてみよう。(一部、ネタバレを含みます)
■『Missナイト & Missデイ』終盤、緊迫した場面で登場人物が食べていたものは?
『Missナイト & Missデイ』で登場人物が食べたり飲んだりする場面は、平和な風景として描かれることが多かった。
しかし、15話で、拉致したミジンを前に真犯人がステンレス製らしき器に入った赤いものをスプーンでせわしなく口に運ぶシーンは、それだけでこの犯人が常軌を逸した人物であることがじゅうぶんに伝わった。
赤いものが何なのか見極めようと、何度も画面をREWINDして目を凝らしたが、はっきりとはわからない。真犯人の隠れ家だったビニールハウスの中なのでペダル(出前)を取るとは思えない。韓国ではミールキットなどと呼ばれ、コロナ禍で重宝されたインスタント食品である可能性が高い。
何度目かのREWINDでスプーンから白いものがこぼれるのが見えた。ごはんに違いない。ごはんを投入して食べる赤いもので、インスタント食品として一般的なものとなると、ユッケジャン(牛肉と野菜の辛いスープ)と見るのが妥当だろう。
悪魔のような犯人でも人間にはちがいない。だからメシは食う。恐ろしいことだが、殺意の炎を絶やさぬための燃料としても食事は重要なのかもしれない。