韓国で1200万近くを動員した大ヒット映画『破墓/パミョ』が、10月18日(金)から日本でも公開スタートした。

 主要キャストのひとり、キム・ゴウンは、日本では『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』『ユミの細胞たち』『シスターズ』など、ドラマのヒロインとしてよく知られているが、ドラマを中心に活躍する者の多い同世代俳優のなかでは映画出演も多い。韓国では、モデル出身のノ・サンヒョン共演の最新主演映画『大都市の愛し方(原題)』が公開中だ。

 韓国映画界では20年以上、チョン・ドヨンが女王として君臨し続けているが、キム・ゴウンは次代の女王候補と言われている。

 今回は、東洋的な顔立ちと憂いのある目もとが印象的な、キム・ゴウンの個性が生かされている映画作品を紹介しよう。

■映画『破墓/パミョ』で巫女を演じたキム・ゴウン、おすすめの出演映画5選!

 キム・ゴウンは1991年7月2日ソウル生まれ。父の仕事の都合で4歳から10年間、中国北京で過ごし、中学1年のときに帰国。盆唐のケウォン芸術高校演劇映画科、韓国芸術総合学校演劇院演技科を経て俳優になった。同期には『パラサイト 半地下の家族』『青春の記録』のパク・ソダムがいる。

『破墓/パミョ』では、東洋的な顔立ちとミステリアスな目力で巫女(ムーダン)を演じたキム・ゴウン。今後は、得意な北京語を生かした国際的な活躍も期待できそうだ。

●『ウンギョ 青い蜜』(2012年)

 キム・ゴウンの映画デビューは、2012年の『ウンギョ 青い蜜』。エロティックな匂いのする邦題のせいか、食わず嫌いの人が多いが、キム・ゴウンは70歳の著名な詩人(パク・ヘイル)とその弟子(キム・ムヨル)を色香で迷わせる女子高校生を演じ、主役の二人を食う存在感を示している。

 その後の彼女の演技力の萌芽を感じさせる作品で、大鐘賞、青龍賞、韓国映画評論家協会賞など、その年の新人女優賞を独占している。

●『ユ・ヨルの音楽アルバム』(2019年)

 1990年代のソウルを舞台にした静かで切ないラブストーリー。キム・ゴウンとスター俳優のチョン・ヘイン。心の闇、心の揺れを表現するのが上手い二人の共演で生まれた名作だ。

 ハン・ソッキュシム・ウナが共演した、すれ違い系ラブストーリー『八月のクリスマス』(1998年)が好きな人にはぜひ観てもらいたい。

『ユ・ヨルの音楽アルバム』に登場した楽園商街ビルの地下市場入口。劇中、キム・ゴウンがこの階段の上に立つシーンがあった

●『その怪物』(2014年)

 本作では、妹(キム・ボラ)と二人で暮らしながら、田舎の市場で健気に野菜を並べて売っている娘を演じた。目鼻立ちがはっきりしていて笑顔が似合う美人女優とはちょっと違う、キム・ゴウンの不思議な魅力が認知された作品だ。殺人鬼(イ・ミンギ)に妹を奪われ、復讐鬼と化してからの演技は大変な迫力で、大物の片鱗をうかがわせている。