テレビ東京の韓流プレミアで放送されていた『善徳女王』は、11月27日に最終話の第62話がオンエアされて完全に終了した。改めて最後まで見ると、本当にゾクゾクするほど面白い時代劇だった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■レジェンド時代劇『善徳女王』の魅力とは?「描かれるキャラ」の強烈さ
韓国ドラマの中にはレジェンド時代劇と呼ばれる作品がいくつかあるが、『善徳女王』も間違いなくレジェンド級だった。2009年に韓国MBCで放送されたときは最高視聴率が43.6%を記録している。これは、歴代の時代劇最高視聴率ランキングの8位にランクされている。
この数字自体も素晴らしいのだが、それ以上に大注目されたのが「描かれるキャラ」が強烈だったことだ。
ドラマは、主役のトンマン(イ・ヨウォン)が苦しい境遇からやがて女王になっていく過程が克明に描かれていたが、このトンマンをめぐる人物設定の中で傑出していたのがミシル(コ・ヒョンジョン)とピダム(キム・ナムギル)であった。
ミシルは新羅(シルラ)を女帝のように支配した怪物女性。コ・ヒョンジョンが妖艶な雰囲気で演じて、放送時にとてつもないインパクトをもたらしていた。
まさに、大女優でなければ演じきれないような深みのある人物像だった。『善徳女王』の人気を加速させたのは、間違いなくミシルとそれを演じたコ・ヒョンジョンの功績だったと言えるだろう。
そのミシルの隠し子として登場したのがピダムだ。このキャラクターは変幻自在なイメージに彩られていた。最初は世間に長けた奔放な若者として登場し、とてつもない武術を発揮してドラマを盛り上げた。
しかし、単純にハツラツとした人物というだけではなかった。『善徳女王』の後半でトンマンが王女から女王へと昇格していく過程では戦術に優れた青年として一目置かれる存在になった。
しかも、演じたキム・ナムギルが多彩な表現力で奥深さを表していた。そして、終盤になってトンマンが女王として力を発揮していく過程でピダムとのラブロマンスが注目され、その中で彼は恋に苦悩する大人の男性へと姿を変えていった。
こうしてキム・ナムギルの深淵な魅力が話題を集め、『善徳女王』はさらに人気を高めた。キム・ナムギル自身も本作でいくつもの演技賞を受賞し、ブレイクを果たした。