チャン・ゴンジェ監督の最新作『ケナは韓国が嫌いで』(主演コ・アソン/『サムジンカンパニー1995』)が、3月7日(金)から日本で公開される。

 チャン・ゴンジェ監督といえば、『イカゲーム』やコン・ユ主演『トガニ 幼き瞳の告発』などで怪女を演じたキム・ジュリョンがノーブルな女性に扮した映画『5時から7時までのジュヒ』、『眠れぬ夜』も公開されることで話題になっている。今回は同時上映される日本が舞台の韓国映画ひと夏のファンタジア』(2015年)の魅力をお伝えしよう。

■『ひと夏のファンタジア』の舞台は奈良県五條市の枯れた街並み

 映画『はちどり』や『逃げた女』をはじめとするホン・サンス作品に出ているキム・セビョク扮するミジョンが奈良県五條市を旅する映画『ひと夏のファンタジア』を初めて観たとき思ったのは、時代は変わったなということだ。

 古くは『ボーイ・ミーツ・プサン』(柄本佑、江口のりこ主演、2007年)、『カフェ・ソウル』(斎藤工主演、2010年)、新しくは、『アジアの天使』(池松壮亮主演、2021年)など日本人が韓国を旅する映画は何本かあるが、その逆は本作や『福岡』(クォン・ヘヒョパク・ソダム主演、2020年)が公開されるまではほとんど観たことがなかったからだ。

『ひと夏のファンタジア』では、康すおん(右から2番目)のようなプロの俳優と五條市民の共演が見られる (C)Nara International Film Festival+MOCUSHURA
『ひと夏のファンタジア』には映画監督(イム・ヒョングク)と助手のミジョン(キム・セビョク)が五條市民にインタビューする場面がある。写真の篠原のおばあちゃんもその一人 (C)Nara International Film Festival+MOCUSHURA