パク・ヘジュンは『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』では、頭を剃り世捨て人となる僧侶役を演じていた。イ・ソンギュン演じる人生に惑う主人公の心の拠り所になる人物でもあった。

『アスダル年代記』は、シーズン2にも出演しているが、印象的なのはシーズン1だ。誰にも言えない秘密をもち時に荒れ狂うチャン・ドンゴン演じる英雄を、深い眼差しで諭すような軍人役だった。神秘的なファンタジーの語り手のような役割も担っていた。

 いずれもメインではないものの、人生の重みと悲哀を感じさせる役で、地味ではあるが物語全体を下支えする役でもあった。

 パク・ヘジュンがそうした役柄を演じると、バックにその人物の表には出てきていないストーリーが見えてくる。『おつかれさま』のグァンシクという役も、この2つの役柄に近い味わいがあったように思う。

 グァンシク役で、俳優として確固たる地位を築いたパク・ヘジュン。これまでは“実力派”“演技派”などと冠されてきたが、そろそろ“名優”と呼ばれる日も近いのかもしれない。

 近々もたくさんの出演作が待ち構えているが、特に楽しみなのは、ヨム・ジョンアと共演し、ミドル世代の純情ロマンスが描かれるという『初、恋のために(原題)』。気難しい建築設計士の純愛をパク・ヘジュンがどう演じるのか、今から期待が高まる。

●配信情報

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

[2025年/全16話]演出:キム・ウォンソク『ミセン -未生-』『シグナル』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』 脚本:イム・サンチュン『サム、マイウェイ〜恋は一発逆転!〜』『椿の花咲く頃

出演:IU『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『ホテルデルーナ〜月明かりの恋人〜』、パク・ボゴム『雲が描いた月明り』『青春の記録』、ムン・ソリ『私たちの人生レース』、パク・ヘジュン『夫婦の世界』、オ・ジョンセサイコだけど大丈夫』、ヨム・ヘランマスクガール』、ナ・ムニ怪しい彼女』、イ・ジュニョン恋するムービー