そのプロセスを描く中で、全州は最高級の舞台装置になっていた。歴史と伝統に彩られた美しい街、そして、「美食の都」でもある。筆者は全州に何度も出かけているが、ここが韓国で一番料理が美味しい土地柄であることをよく知っている。特に、滋味豊かな野菜料理の絶品ぶりは他に例えようがない。
そんな全州を描いたことが、『隠し味にはロマンス』が成功した要因の一つになった。
そして、「究極のご馳走」。もちろん、モ・ヨンジュが作りだす料理の素晴らしさがドラマではたくさん紹介されるのだが、それ以上に心に残るのが、大切な人のために作ったオンリーワンの料理。ウニラーメンをはじめとして、真心がこもった料理こそがまさに人を幸せにする真髄かもしれない。
「カン・ハヌル」「全州」「究極のご馳走」……この3大キーワードが『隠し味にはロマンス』にとっての最高の三ツ星であった。
●配信情報
Netflixシリーズ『隠し味にはロマンス』独占配信中
[2025年/全10話]演出:パク・ダンヒ『弱いヒーロー Class1』(共同演出) 脚本:チョン・スユン『少年飛行』 クリエイター:ハン・ジュンヒ『D.P. -脱走兵追跡官-』シリーズ(演出・脚本)、『弱いヒーロー』シリーズ(クリエイター)
出演:カン・ハヌル『椿の花咲く頃』、コ・ミンシ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』『五月の青春』、キム・シンロク『地獄が呼んでいる』シリーズ、ユ・スビン『愛の不時着』『弱いヒーロー Class2』、ペ・ナラ『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン2、ホン・ファヨン『埋もれた心』、ペ・ユラム、オ・ミネ