『孤独のグルメ』の松重豊と韓国の人気バラード歌手ソン・シギョンが、日本と韓国で食べ歩きする番組『隣の国のグルメイト』。シーズン2「究極の味対決」の第11話では、松重豊がソン・シギョンを故郷福岡のうなぎでもてなした。それは日本の人がうなぎを大変なごちそうとして尊重していることが伝わってくる内容だった。
■「甘っ!」初めてうなぎ蒲焼きを食べた韓国人の感想
筆者が初めて日本でうなぎを食べたのは、日本での語学留学を終えて韓国に帰る直前、日本の友人がお別れ会として連れて行ってくれた専門店だった。
韓国人の目には少々仰々しく見える重箱に入ったうなぎをひと口食べ、まずタレの甘さに驚いた。バイトしていた焼肉店で、日本式焼肉の甘じょっぱいタレと白飯の組み合わせの美味しさには感動していたのだが、蒲焼きのタレはさらに甘さが立っていた。もてなしてくれた日本人は、筆者の反応が微妙なので残念そうだった。申しわけない気もしたが、韓国人は日本人と比べ気持ちがすぐ顔に出てしまうのだ。
しかし、その後の日本出張で何度かうなぎの蒲焼きを食べるうち、その美味しさがわかるようになり、名古屋出張の帰りには静岡県に寄ってうなぎを食べるまでになっている。
これは韓国料理に対する日本人の反応も同じだろう。2000年頃、ヒラメやタイの刺身に味噌やニンニク、青唐辛子を添えてサンチュで巻いて食べることに戸惑っていた日本の友人たちも、最近では釜山や西海寄りの街に来たときはもちろん、日本のコリアンタウンでも刺身専門店に行くようになっている。異文化を楽しむにも慣れが必要なのだ。