トランジットなので、預けた荷物は成田国際空港で受けとることになっていた。その荷物のなかにタオルやシャンプーは入っている。

 受付カウンターに向かった。支払いをすませると、タオルとサウナウエアーらしきもののセットを、横にいたおじさんがひょいと渡してくれた。

「これ無料なんですか?」

「そう、料金に含まれてます」

 帰国後、韓国のサウナに詳しい知人に訊いてみると、料金表の韓国語には、「大型(睡眠)タオル」と書かれているという。韓国のサウナでは、大型のタオルを借り、サウナでは下に敷いたり、寝るときににはブランケットのように使う人が多いのだという。僕は韓国語が読めないので、英語から想像してしまっていた。

 つまり一般的なタオルは基本料金に含まれていた。もっとも僕は仮眠目的だから、韓国語が読めたら、借りていたかもしれない。そのあたりがわからない僕は、2万2,000ウォンを払っただけで施設に入るために靴を脱いだ。

 その先の入口は男女で分かれていた。男性用のロッカーでサウナウェアに着替えた。『愛の不時着』で、北朝鮮の兵士が着たウェアと同じような色だと思った。

『SPA at HOME』のサウナウェア。これをきて施設内を移動することになる