
――『君の声を聴かせて』では、手話が大きな意味を持っています。みなさん、それぞれに練習して撮影に挑んだそうですが、手話で演じるにあたって難しかったところ、手話を学んで気づいたことはありますか。
ホン・ギョン「たぶんみんな同じように感じたと思いますが、普段、僕たちが相手の言葉を耳で聴きながら会話しているとき、視線を合わせなかったり、話を聴きながらも他のことを考えたりしている瞬間がありますよね。でも、手話では、相手が何を言っているのかを目を合わせて正確に見なければなりません。僕たちが生きているこの時代にこそ、このようなコミュニケーションがとても必要だと感じました。自分ではなく相手の気持ちや考えを聞いてみようという姿勢にすごく影響を受けました」
ノ・ユンソ「ホン・ギョンさんが言ったように、相手の目を眺めていると、とても正直になって、嘘をつくのが難しくなったような気がしました。耳の聞こえない、ろう者のみなさんとお会いして、ろう文化などの背景知識も学べて、自分の知らなかった世界が開かれたように感じました」
キム・ミンジュ「私も今回、初めて手話を学びながら、世界が広くなるような感じを受けました。姉のヨルムと喧嘩をするシーンでは、手話を使って相手の目を見ながら感情を感じ、自分の感情も率直に伝えながら問題を解決していくというやり方を実際にやってみて『今、私は大切な経験をしているんだな』と思いました」
(後編に続く)
■プロフィール
●ホン・ギョン 1996年生まれ。ドラマ『恋するレモネード』(2017年)で俳優デビュー後、『潔白』(2020年)で百想芸術大賞映画部門の男性新人演技賞を受賞。その後、『コメント部隊』(2024年)などの映画、『弱いヒーロー Class1』(2022年)、『悪鬼』(2023年)といったドラマ、アニメーション『あの星に君がいる』(2025年)の声の出演と快進撃が続く。Netflix映画『グッドニュース』が10月17日から配信開始。
●ノ・ユンソ 2000年生まれ。オールスターキャストが話題となったドラマ『私たちのブルース』(2022年)でデビュー作とは思えない落ち着いた演技を披露。続く『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』(2023年)で百想芸術大賞ドラマ部門の女性新人演技賞を受賞した。その他の出演作に『20世紀のキミ』(2022年)、ドラマ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』(2024年)などがある。
●キム・ミンジュ 2001年生まれ。インディペンデント映画への出演後、オーディション番組「PRODUCE48」を経て、2018年にアイドルグループIZ*ONEの一員として歌手デビュー。グループ解散後は『禁婚令 -朝鮮婚姻禁令-』(2022年)、『コネクション』(2024年)、『アンダーカバーハイスクルール』(2025年)といったドラマで活躍。今作で商業映画デビューを果たした。
●あらすじ
将来への展望が見えず、悶々とした日々を送っていたヨンジュン(ホン・ギョン)は、両親が営む弁当店の手伝いで配達に行ったプールで、練習する選手を熱心に応援する女性ヨルム(ノ・ユンソ)に一目惚れする。聴覚障がい者である妹ガウル(キム・ミンジュ)の水泳選手としてのキャリアを第一に考える彼女は、アルバイトを掛け持ちしながら練習の送り迎えをしていた。ひょんなことでヨルムと親しくなったヨンジュンは、ガウルも交えて楽しいときを過ごすのだが……。
●公開情報
『君の声を聴かせて』9月26日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:日活/KDDI 提供:KDDI
[2024年/韓国/109分]監督:チョ·ソンホ『エンドレス 繰り返される悪夢』
出演:ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ
オリジナル映画:『聴説』(プロデュース:ペギー・チャオ/監督:チェン・フェンフェン)
公式サイト:https://kiminokoe.jp/
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