IMFは210億ドルという巨額の融資を決定。さらに世界銀行、日本、アジア開発銀行からの支援が実現し、韓国の国家破綻の危機がかろうじて回避された。しかし、代償があまりにも大きかった。IMFが突きつけた経済改革案は苛烈であり、企業の整理、金融機関の統廃合、雇用の削減など、冷たい合理化が容赦なく進められた。街には職を失った人々があふれた。

 1997年12月、韓国は新しい大統領として金大中(キム・デジュン)を選んだ。そんな1997年は、韓国が栄光から挫折へと転げ落ちた屈辱の年であった。国際信用度は最悪となり、格付会社ムーディーズは韓国の評価を一気に6段階も引き下げた。それは、韓国が試練の中で涙に濡れた瞬間だった。

 こうした時代を背景にしているのが『テプン商事』だ。韓国にとって本当に厳しい時期を描いているのである。

Netflixシリーズ『テプン商事』独占配信中

●配信情報

[2025年/全16話]演出:イ・ナジョン、キム・ドンフィ 脚本:チャン・ヒョン

出演:ジュノ(2PM)、キム・ミンハキム・ミンソク、クォン・ハンソル、イ・チャンフンキム・ジェファ、キム・ソンイル、イ・サンジンキム・ジヨンキム・サンホ