■『ヴィランズ 偽札ゲーム』舞台となった港がある仁川広域市の家庭的韓定食店

『ヴィランズ 偽札ゲーム』初回は、仁川港でスヒョンが人民元の偽造紙幣取引を行う場面から始まる。

 韓国北西部にある仁川広域市は人口305万人余り(2025年11月時点)で、ソウル、釜山に次いで韓国で3番目に人口が多い都市である。

 港町である仁川は、中国・山東省から移住してきた港湾労働者たちが、手軽に食べられるようにと生まれたチャジャンや、太麺とともにたっぷりの千切り野菜をチョジャン(お酢入りコチュジャン)を和えて食べるミルミョンなど、仁川発祥の麺料理がある。また、遠浅の西海岸で水揚げされるワタリガニも有名だ。

『ヴィランズ 偽札ゲーム』初回の舞台となった仁川港

 仁川港旅客船ターミナルからタクシーで15分ほどの住宅地に、地元民に人気の食堂がある。メニューは韓定食とカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)が1人1杯提供されるケジャン定食の2つだけ。

 色鮮やかなオレンジ色の内子がたっぷりと入ったメスのワタリガニは、韓方薬剤とともに漬け込んだ醤油の香りが食欲をそそる。びっしりと詰まったワタリガニの身は甘く、とろけるような舌触りだ。

 焼きたてのイシモチ、エンガワも添えられたヒラメの刺身、細切り大根のキムチとともに白菜に載せていただく茹で豚(ポッサム)、タラコの塩辛、熱々のテンジャンチゲなど、ワタリガニが2人で1杯の韓定食でも十分に満足できる。

仁川の特産品であるワタリガニの醤油漬けが中心の韓定食

●仁川へのアクセス

ソウル駅から仁川駅まで地下鉄1号線で約1時間8分。