■著名な俳優が実名で物語に関わることでドラマがとてもスリリングに

 そして、本作を興味深くさせているのが、実名で特別出演するスターたちの存在だ。

「本人役」として出てくる顔ぶれとエピソードの配置は、韓国ドラマのファンであれば膝を打つほどに巧みである。

 たとえば、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』に出演したパク・ホサンオ・ナラが登場する回では、名作を彷彿させる絶妙な掛け合いが見られる。

『悪の花』『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』のキム・ジフン、映画『パラサイト 半地下の家族』で裕福な社長夫人を演じたチョ・ヨジョン、『私の名前はキム・サムスン』『春のワルツ』で知られるダニエル・ヘニー、『紳士の品格』のキム・スロらも、そのままの名でドラマに颯爽と登場する。

 また、世界的な旋風を巻き起こした『イカゲーム』で強烈なインパクトを残したキム・ジュリョンも個性的に姿を現す。本作では俳優としての素顔や葛藤をのぞかせ、そのギャップがまた新たな魅力を引き出している。特別出演ではないが、同じく『イカゲーム』出演者のホ・ソンテも物語の後半に出演している。

 著名な俳優が実名で物語に関わることで、視聴者はまるで芸能界の楽屋話を聞いている錯覚に陥る。虚実が入り混じるこのスリリングな構成こそが、『エージェントなお仕事』の大きな持ち味になっているのだ。

●配信情報

Netflixシリーズ『エージェントなお仕事』独占配信中

[2022年/全12話]演出:ペク・スンリョン 脚本:パク・ソヨン

出演:イ・ソジン、クァク・ソニョン、ソ・ヒョヌ、チュ・ヒョンヨンシム・ソヨンキム・グッキキム・テオ、ファン・セオン、ノ・サンヒョン、チェ・ヨンギュ