■都会を離れ、田舎町で人間回復する物語

 ソウル至上主義、一極集中志向の反動だろうか。近年の韓国ドラマや映画には都市生活者が田舎に移住したり、左遷されたりして最初は戸惑うが、しだいに人間回復してゆく姿を描く作品が多い。

 映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』ではキム・テリ扮する主人公が故郷に帰り、野菜を栽培したりマッコリを醸したりする姿が生き生きと描かれていた。

 大ヒットドラマ『涙の女王』では婿の実家に避難した財閥一家の家長(チョン・ジニョン)が農夫たちにマッコリをふるまわれ笑顔になるシーンがあった。

 日本で公開中の映画『しあわせな選択』のイ・ビョンホンは、『わが心のオルガン』で晩学の小学生(チョン・ドヨン)に田舎の洗礼を受けた。同じく『しあわせな選択』に出演しているチャ・スンウォンは、『ぼくらの落第先生』でソウルから左遷された教師に扮し、村人たちのマッコリ宴会の洗礼を受けていた。

 韓国人の極端なソウル志向や高層アパート志向、SPEC(ステイタス獲得のための諸条件)信仰などに代わる人生の新たな価値観が育たない限り、こうした癒しの映画やドラマはこれからも作り続けられるだろう。

韓国の典型的な田舎の風景
韓国では田舎へ行けば行くほど、バスは公共交通として存在感を増す

●配信情報

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[2026年/全]演出:キム・ユンジン 脚本:イ・スギョン

出演:パク・ジニョン、キム・ミンジュ、シン・ジェハ、パク・セヒョン、ソン・ユビン