■『かかし』劇中には1980~1990年代の懐かしい風景も

『かかし』は、猟奇的な殺人事件を巡っての元刑事と検事の対立を軸とする物語が見ものなのだが、事件が起きた1990年前後のソウル郊外の風物描写にも監督や美術チームのこだわりが感じられ、目を楽しませてくれる。

 なかでも、1話で若きテジュやジウォンが店先で酒を飲んでいた「イモネ食堂」は、今の50代以上の韓国人にとっては懐かしい佇まいだ。韓流以前から韓国映画を観てきた人はハッとしたかもしれないが、この食堂は1999年に撮影された名画『ペパーミント・キャンディー』でソル・ギョング扮する工員が酔って暴れた店のセットが参考になっている可能性が高そうだ。

 ここ数年のレトロブームで、ソウルの世運商街周辺の零細工場街や清凉里永登浦、大方洞辺りの路上飲食店が人気だったが、これらはいずれも「イモネ食堂」のような店の雰囲気を再現したものだ。

 最近、世運商街のビル群のひとつ、清渓商街ビル東側の町工場エリアが再開発のため更地になってしまった。懐古趣味の店すら姿を消してゆくということは、韓国の町の風景がドラスティックに変わってゆくことを暗示しているのかもしれない。

韓国で1990年代にはよく見かけた飲食店の外観
若者で賑わっていた清渓商街ビル東側の町工場エリアの路上飲食店

●配信情報

『かかし』U-NEXTにて独占配信中(※毎週月・火曜、最新話更新)

[2026年/全12話]演出:パク・ジュンウ 脚本:イ・ジヒョン

出演:パク・ヘス、イ・ヒジュン、クァク・ソニョン、ペク・ヒョンジン、ユ・スンモク

(C)2026 KT StudioGenie Co., Ltd

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