今から46年前、1980年5月18日は、光州市で活発化した民主化運動を政府の戒厳軍が過剰鎮圧し、多くの犠牲者を出した日だ。悲劇の実態が明らかになったのは、首謀者である全斗煥(チョン・ドゥファン)政権が終わり、軍事独裁からの脱却を打ち出した盧泰愚(ノ・テウ)政権下で「光州聴聞会」が開かれた1988年頃からだ。韓国では「暴徒」扱いされた運動家たちが名誉を回復するまでには、ずいぶん時間がかかったのである。

 筆者のように事件当時、高校生だった者にとっては1995年のドラマ『砂時計』で初めて公開された過剰鎮圧の実映像は衝撃だった。その後、多くの映画やドラマがこの事件を扱うようになり、関心と理解を深めるのに貢献してきた。とくに90分ほどでまとめられた映画は外国人にとってはありがたい教材だ。そのなかから日本でも配信されているいくつか作品の見どころを紹介しよう。

■韓国・光州民主化運動が題材の映画6選

ソル・ギョング主演『ペパーミント・キャンディー』(2000年)

グッドニュース』のソル・ギョングの出世作。花とハッカ飴を好み、純粋な娘(ムン・ソリ)を愛した青年が軍人時代、光州民主化運動の鎮圧に駆り出され、民間人の少女を誤射してしまったり、警官時代に民主化運動家を拷問したりしているうちに屈折し、40歳のときに悲劇を迎える。軍事独裁の闇、拝金主義の弊害など現代社会の諸問題につながる韓国の病理を確認できる。

チ・ジニ主演『なつかしの庭』(2007年)

宮廷女官チャングムの誓い』『トンイ』や『家いっぱいの愛』のチ・ジニ扮する光州民主化運動の主犯が17年間、監獄暮らしをしたのち社会復帰する話。逮捕前に甘い隠遁生活を送り、獄中生活を支えてくれた恋人(ヨム・ジョンア)がすでにこの世にいないことを知り、彼女との思い出の場所を訪れる。残酷な事件を題材としながらも詩情豊かで切ないラブストーリーに仕上がっている。

過剰鎮圧の犠牲者が眠る光州の国立5.18民主墓地。『なつかしの庭』の冒頭、出所した主人公(チ・ジニ)がここを参るシーンがあった

イ・ヨウォン主演『光州5・18』(2007年)

善徳女王』のイ・ヨウォン、『朝鮮精神科医ユ・セプン』のキム・サンギョン、『悪の花』のイ・ジュンギ、『おつかれさま』のナ・ムニ、そして、今年亡くなった国民俳優アン・ソンギが出演し、700万人以上を動員した作品。

 前述の『ペバーミント・キャンディー』『なつかしの庭』がパーソナルな内容なのに対し、本作はそれぞれの事情を抱えた市民が戒厳軍という敵を前に共闘する物語。錦南路で国家が流れるシーンとラストの記念撮影シーンは何度見ても背筋が凍り、涙を禁じえない。

市民軍と戒厳軍の激しい銃撃戦が展開された旧・全羅南道庁舎の内部(2009年撮影)