Netflix配信作『誰だって無価値な自分と闘っている』は、20年間も映画監督になれなかったファン・ドンマン(ク・ギョファン)と、彼を理解する映画会社PDのピョン・ウナ(コ・ユンジョン)が主演コンビになっていた。同時に、映画監督パク・ギョンセ(オ・ジョンセ)と映画会社代表のコ・ヘジン(カン・マルグム)という夫婦も主役級の存在感を見せた。さらに、説得力がある演技を披露したのが重鎮俳優の3人だった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■『誰だって無価値な自分と闘っている』一筋縄ではいかない個性的なキャラを存分に表現する3人のベテラン俳優
最初に紹介したい重要なキャラクターはオ・ジョンヒ(ペ・ジョンオク)だ。
国民的な女優だが、小学生だったウナを捨てた過去を持っている。そのウナと再会したとき、娘から極端に嫌われている事実を知っても平静を装った。どんなときでも他者を威圧するほどの自尊心を失わず、ウナに対しても決して謝罪をしない。常に自分を正当化して、決して弱味を見せないのだ。とにかく強烈な自我を持っている。
演じたペ・ジョンオクは、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』でプライドの塊だった大王大妃(テワンテビ)の役をコミカルに演じて好評を博したが、『誰だって無価値な自分と闘っている』では、言動にわずかな隙も見せない完全無欠な女性像を最後まで貫いた。本当に圧巻の演技だった。
次に取り上げるのはノ・ガンシク(ソン・ドンイル)である。
常に周囲に格の違いを見せつける大御所俳優。とても気難しい性格なのだが、どういうわけか、監督デビュー作のビジョンを語りまくるドンマンに関心を持ち、半分のギャラで主演することを承諾する。ここから物語は一気に佳境に入っていく。
演じたソン・ドンイルは、「応答せよ」シリーズ三部作すべてでヒロインの父親に扮して、絶対的な評価を得た。また、『カーテンコール』で物語を動かす秘書室長を演じて、手堅い演技力を見せていた。本作でも、ソン・ドンイルは大物俳優の矜持を存分に示し、ドラマの後半に張りつめた緊張感をもたらしていた。