Netflix配信のロマンスコメディ『素晴らしき新世界』が世界的に大ヒットしている。こんなにも人気を博した理由を5つ取り上げてみよう。

 1つ目は、視聴者の意表を突く配役の見事さである。『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』における冷酷な仇役で脚光を浴びたイム・ジヨン。そして、真面目で硬派な印象のあったホ・ナムジュン。ロマコメの主人公としては型破りな組み合わせである。しかし、この予期せぬ化学反応が極上のロマンスを生み出している。(以下、一部ネタバレを含みます)

■5つの要素が絶妙に生きて『素晴らしき新世界』は最高級のキラーコンテンツになった

 2つ目の鍵は、時代を超えるというタイムスリップの設定である。イム・ジヨンが扮するのは1700年代の朝鮮王朝時代に歴史的な悪女として名を馳せたカン・ヒビン。彼女は王の側室として絶頂を極めたが、やがて王の寵愛を失い、悲惨な最期を遂げる。

 深い恨みを抱いたまま命を落とした彼女の魂。それは300年の時を経て、売れない女優シン・ソリの肉体に宿り復活した。

 ソリの内面は300年前の権力者そのままである。当時の価値観と習慣を保ったまま、現代社会に放り出されてきた。彼女の目に映る世界は全く未知の領域……クルマ、スマホ、そびえ立つビル群。圧倒されつつもソリは新しい時代を生き抜く覚悟を決める。この適応プロセスの描写が非常に秀逸である。

 3つ目は、ホ・ナムジュンが演じる財閥御曹司チャ・セゲの二面性だ。このツンデレが、とてつもなく痛快だ。

 普段は冷淡な経営者の彼が、恋に落ちた途端に豊かな感情を爆発させる。甘いラブリーな場面で見せる無邪気な振る舞いは、ホ・ナムジュンの演技の幅広さを証明している。このギャップが物語に心地よい刺激を与え、作品の魅力を引き上げている。

 4つ目は、主人公ソリの強烈な個性である。彼女の精神はかつての王宮にいた頃から変わっていない。そのため、態度は尊大で言葉が高圧的だ。現代の一般的な倫理観からは大きく外れた思考回路を持つ。だが、その時代錯誤な振る舞いの中にこそ、深い面白さがどんどん詰まっている。

Netflix『素晴らしき新世界』独占配信中 画像:SBS