大ヒットウェブトゥーン『部長K』を原作にしたNetflix『エージェント・キム: リアクティべーティッド』。男手1人で育て上げた高校生の娘がある日突然姿を消してしまう。彼女を取り戻すため、平凡な父親を装っていた「恐ろしい男」が再び修羅の道へと足を踏み入れる……。この謎めいた主人公を韓流スター俳優のソ・ジソブが演じている。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflix話題作『エージェント・キム』主人公、キム部長は最愛の娘を奪い返すために冷酷な破壊者へと変貌を遂げていく
本作でソ・ジソブが扮するキム部長を深く掘り下げてみよう。
彼にとって唯一の光は、妻に先立たれて以来手塩にかけて育てた娘のミンジ(ソ・スミン)である。母親の愛情を知らずに育った彼女に対し、キム部長は常に深い贖罪の念を抱いている。しかし、寡黙な性格。気の利いた言葉をかけることもできず、その愛情表現はひどく不器用だ。
それでも内面に秘めた愛情の深さは計り知れない。世界中のどんな親にも引けを取らないほど、キム部長は娘を深く愛し抜いている。
多感な時期を迎えたミンジとは衝突することも少なくない。それでも2人は言葉の裏にある本心を感じ取り、確かな絆で結ばれていた。そんな尊い日常は、突如として無残に引き裂かれる。最愛の娘が闇に消え去ったのだ。
絶望の淵に立たされたキム部長は、もはや冴えない会社員ではなくなる。娘の命を救うため、彼は隠していた真の姿を解放する。
キム部長はかつて北朝鮮の体制下において、最重要指名手配対象の第1位になった男である。そして、今もまた、娘を奪い返すために冷酷な破壊者にならざるをえない。そうした展開にはゾクゾクさせられる。
キム部長の相棒たちも非常に個性的である。
1人目は海兵隊で過酷な戦場をくぐり抜けた経験を持つパク・ジンチョル。現在は社会奉仕活動に従事している強靭なキャラクターを、ユン・ギョンホが演じている。
2人目はテコンドーの元オリンピック金メダリストで、現在はテコンドーの師範として道場を構えるソン・ハンス。こちらはチェ・デフンが扮している。
地味なスーツ姿のキム部長、武骨な迷彩服を着たジンチョル、純白の道着に身を包んだハンス……。この異色な3人が焼肉屋で大乱闘に巻き込まれるシーンは、物語序盤で最大のカタルシスをもたらしていた。