ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』や映画『破墓(パミョ)』で知られる俳優のキム・ゴウンが去る8日、韓国・釜山で開催の第31回「釜山国際映画祭(BIFF)」のファン向けトークイベントである「アクターズハウス」に登壇した。

「アクターズハウス」は作品の宣伝や思い出にとどまらず、俳優の人生と演技を深く掘り下げるトークプログラムで、今回は新世界百貨店センタムシティ店9階の文化ホールが会場となった。

 満員の観客の歓声を受けて現れたキム・ゴウンは、作品の裏話や演技の悩みなども惜しみなく語った。デビュー14年目を迎えた彼女が語った貴重なエピソードとは――。

■1200万人動員映画『破墓』でムーダン役を演じたキム・ゴウン、所作を徹底的に研究、俳優としての執念の結果

 ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『ザ・キング:永遠の君主』『ユミの細胞たち』シリーズ、『シスターズ』『ウンジュンとサンヨン』『告白の代価』など作品ごとにキャラクターを演じ分ける多彩な演技力とオーラでファンを魅了してきたキム・ゴウン。

 この日は落ち着いた色調ながらゴージャスな雰囲気が漂うシックな衣装で登壇し、近年の話題作を中心に役柄にどう取り組んだのかを赤裸々に語った。

写真提供:釜山国際映画祭(BIFF)

 観客動員数1200万人を記録したオカルトミステリー映画『破墓(パミョ)』(2024年)で、キム・ゴウンは巫堂(ムーダン)のファリムを熱演。同作で第60回「百想芸術大賞」の映画部門女性最優秀演技賞に輝き、プロフェッショナルなプロ意識が極めて高い俳優として評価を上げた。

 若くして圧倒的な実力を持つ巫堂(シャーマン)のファリムの独壇場となり映画屈指のハイライトとして評される大殺お祓い(デサルグッ)のシーン。キム・ゴウンは役作りのため、本物の高名な巫堂のもとに何度も通い詰め、儀式の所作を徹底的に研究し体に叩き込んだ。刀を握る手の角度、飛び跳ねるタイミング、首を傾げる動作、憑依した際の不敵な表情と視線の変化など、台本には書かれていない微妙な違いを現場で表現し続けた、と報じられている。

■主演作『ユミの細胞たち』シーズン3、過酷なスケジュールを完走し「自分が誇らしい。作品が癒しになった」と感激

 2021年からシリーズ化された主演ドラマ『ユミの細胞たち』シーズン3(2026年)の制作と出演について、「当初、体力や精神的なストレスから否定的な立場をとっていました」と率直に明かしたキム・ゴウン。

 しかし、すべての撮影を終えた今では、「やり遂げたという大きな充実感がある。非常に過酷な撮影スケジュールでしたが、最後まで走りきった自分が誇らしく、作品そのものが自分自身を癒やしてくれる存在になった」と、感激の表情で振り返った。

写真提供:釜山国際映画祭(BIFF)

■撮影現場で大切にしているのは「全体の調和」、まず相手の言葉に耳を傾け親しみを持って歩み寄る 

 俳優としてのキャリアを重ね、現場を支える立場となったキム・ゴウン。

 撮影に臨む際の姿勢について、「デビュー当時は、先輩たちに助けられながら全体の流れを見る方法を学びました。それ以来、最も大切にしているのは個人の突出した演技ではなく、登場人物と全体の調和です。台本読みの段階で自分から話しすぎるのではなく、まず相手の言葉に耳を傾け、その後は親しみをもって歩み寄るようにしています」と、作品に向き合う自身の姿勢を語った。