■インド最大の祭りが行われる中、誕生したリシ・スナク新首相
今、インドが熱い! ……なんて言い回しが古くさいことは承知の上ですが、それでもこう言いたくなってしまうほどに、インドの注目度が上がっていることは確かです。
折しも10月下旬は、新年の始まりを祝うインド最大のお祭り『ディワーリー(ディワリ)』で国中に花火や爆竹が盛大に鳴り響く真っ最中。インドでは地方や宗教別にさまざまが暦が使われているのですが、ヒンドゥー教の新年を祝うこの日は、ジャイナ教やシーク教でも重要な祝日とされていて、国中で数日間に渡ってお祝いが行われるのです。
■ヒンドゥー教の聖典で議員としての宣誓を行った新首相
そんな晴れの日にイギリスの新首相として、リシ・スナク氏が決まりました。スナク氏は若く(現在42歳)とても裕福なイケメン議員で、ジョンソン前首相の財務大臣でした。
7月の後任党首選挙ではリズ・トラス氏に敗れましたが、その首相生命が50日という短期間で終了し、対抗馬だったスナク氏が保守党党首となり、イギリス首相となったわけです。
イギリスで初のインド系首相が、ちょうどディワーリーのお祭りの最中に誕生したわけですから、インド中が湧きたつのもわかります。その上、スナク氏はインドの国教であるヒンドゥー教徒であり、カースト(身分制度)においては最上位となるバラモンの家系に属しています。
また、イギリスの下院での宣誓においては、ヒンドゥー教では聖典のひとつとされる古代の叙事詩『マハーバーラタ』の一部でもある『バガヴァット・ギーター』を用いていました。