■まさに「洒落怖」の海外版「クリーピーパスタ」

クリーピーパスタの代表作の一つが、先ごろ映画化も決定した「The Backrooms」。無機質で不気味な空間が延々と続き、時に不可解な存在が登場する。 Huuxloc, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons

 日本における「コトリバコ」や「きさらぎ駅」、「くねくね」のような存在、といえば「電脳奇談」読者にはわかりやすいだろうか? 2000年代前半、日本の2chオカルト板のスレッド――「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」(通称:洒落怖)では、誰かが恐ろしい体験談や噂を投稿すると、「それを実際に自分の家族が見た」「うちの地元ではこんな話が伝わっている」など、それを補足する情報が次々と投稿され、「洒落怖」のユーザー全体で様々な都市伝説を作り上げるムードがあった。

 その「洒落怖」の海外版とも言えるのが、「クリーピーパスタ(Creepy pastas)」と呼ばれる都市伝説群。「Creepy(ゾクゾクする、身の毛もよだつ)」+「Copypastas(「コピペ」を意味するネットスラング)」を組み合わせた造語で、要は「洒落怖コピペ」。数々の都市伝説がある中で、その代表例といえるのが「スレンダーマン」なのだ。

 誰かがネットに投稿した作り話を信じてしまった少女が死傷事件起こしてしまう……この事件そのものが都市伝説のような構造の話だが、多感な時期の若者が、ネットで見たストーリーに影響されてしまった、という悲しい事例だ。読者の皆様も都市伝説やオカルト、陰謀論にハマりすぎて、人生を見失わないよう、ご注意いただきたい……。