■独特な線香や冥銭を供える沖縄スタイル
公園の公衆トイレの横から、草木が茂る手つかずの小道を入っていくと……ありますね、昔のお墓が。写真は現在は使われていないお墓ですが、隣には一族の始祖が沖縄に渡来してから現在まで続いている、有名な一族のお墓もあります。やはり、めちゃくちゃデカイ。ここでシーミーやったらめちゃくちゃ楽しそうだな……。
ガイドさんが見せてくれた、シーミーのときに使う沖縄の線香「平御香(ヒラウコー)」。6本くっついているが、内地と同じで半分に割って「三本御香(サンブンウコー)」にしてウートートーといって手を合わせて拝む。奥に見えるのは「ウチカビ」という冥銭(紙銭)の一種でお金を模した副葬品。ご先祖様があの世でお金に困らないように燃やしてあの世に送るのだそう。これでシーミーに参加する準備はバッチリね!(?)
■実は沖縄・那覇の町中は墓だらけ!
ナイクブ小墓群の後は近くの裏道を案内してもらったのですが、とにかく至るところにお墓がある! 国際通り周辺はよく歩いているのに今までまったく目にしたことがなかったのだが……、こうしてちょっと裏に入って20分ほど歩いただけでも5〜6つのお墓を目にすることができた。
こちらは2つ並んだお墓(左側は現在も使われているためボカしますが……)。ガイドさんに「なぜ、右はもう使われていないと分かるんですか?」と尋ねてみると、
「左側にはたまにお花が供えられています。右側は手前の看板が今は壊れていますが、『持ち主の方は名乗り出てください』と書かれていました」
なるほど、持ち主がわからないお墓は、そうやって県が管理しているんですね。また、「この奥にも使われていないお墓があります」と言われたのだが、草木が生い茂っていて何も見えない。もうその辺一帯、お墓だらけじゃん……。なお戦争中、お墓は一家の防空壕代わりとして使われたのだとか。勉強になるなぁ〜。
■最後はちょっと奇談っぽい話で〆!
お墓以外にも那覇の脇道や横道など色々、案内してもらい、最後は美栄橋駅前でまちまーいは終了……なのですが、ひとつどうしても気になっていたことが。それは、沖縄で有名な心霊話「七つ墓(ナナチバーチー)」。なお「七つ」とは、実際に7つお墓があるのではなく「たくさん」を意味し、子育て幽霊の伝説として今も怪談劇として演じられているのだそう。そんな「七つ墓」のお話はこちら……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その昔、十貫瀬(じっかんじ)近くの菓子屋でたびたび現れる女が飴を買っていった。ところが、女性が払うお金はいつも、翌日になると紙銭(あの世のお金)に姿を変えてしまうという。
そこで不思議に思った店の主人が、ある日、飴を買った女の後をつけていった。すると、女はそのまま七つ墓の中へと消えて行った。そこで主人が墓の中をのぞき込むと、女性は既に亡くなっていて墓の中で横たわっていた。その女性のそばで、赤ん坊が先ほど買った飴をしゃぶっていたのだった……。
【了】
■私をシーミーに連れてって!
七つ墓のある山は現在は入れなくなっているが、遠目で望むことができる。なお、七つ墓の裏にはホテルがあり、ホテルのカフェのテラスからも見えるのだそう。そのホテル、前に泊まったことあったけれど、やたら緑が多いカフェだったな……。
こうして、沖縄のお墓を巡る街歩きは終了! シーミーに参加したいという煩悩だらけの目的でしたが、こうして色々見ると沖縄の人は本当にご先祖様を大事にしてきたんだなということがよくわかりました。また、ちょっと裏道を歩くだけで普段とは違う視点で街を見られたのも楽しかったです。後はシーミーに招待してもらうだけなので……沖縄の読者の皆さん、お願いします!!