■これも最後にオススメしたい!
4冊のつもりだったんです……。なんなら、お盆ぐらいに1冊ずつ記事化できればと思っていたんです。でもですね、この4冊を併読していたら、本と本というか本の内容同士、登場する方々の語る言葉が繋がってきて、一つの流れとして紹介したほうが面白い、となったわけです。
でもね、「長いよバカ、スマホで読みにくいよ」という声も書きながら聞こえています(たぶん幻聴w)。ただね、最後に1冊、この1冊だけは紹介させてください。
正直、私と同じような「フワっと怪談好き、なんかオカルト好き」という方には、ここまで紹介した4冊は結構カロリー高いかもしれません。私も読み通すのに色々、調べながら読んでました。もっとこうね、サラッと「怪談の基礎教養」が身につくっちゅうか、「あ~あれなんだったっけ? きさらぎ駅って何線だっけ?」と愚問に答えてくれる本はないかな~?
と思ってたら届いたんです。この『教養としての最恐怪談』(ワン・パブリッシング)。“ワンパブ”と言えば天下の『月刊ムー』を発行する出版社。しかも著者は怪談・オカルト研究家、吉田悠軌! もうこの時点で信頼度満点なのですが、目次開いてさらに納得。
サブタイトルに「古事記からTikTokまで」とある通り、冒頭の「イザナミ」から八尺様やコトリバコといったネット怪談、さらに将門の首塚、四谷怪談のような古典怪談まで、古今東西の怪談がズラリ(「バックルーム」を紹介している怪談本も珍しいです)。これらが、「母子」、「巨女」、「江戸」、「禁忌」、「真相」、「異界」、「実話」、「伝承」の各章に分けられ、お好みのところから読める仕掛けだ(なぜ、この章タイトルになったかは目次をぜひご一読を。これ読むだけで「怪談とは何ぞや」の大枠が掴めますよ)。
しかも、単に辞典的に説明が載っているだけではない。月刊ムーで実話怪談の鋭い考察記事が人気の著者だけに、本書でも怪談や伝説の”裏側”まで徹底的、かつ簡潔に検証している。もう、ダラダラ書く悪い癖をやめて、こういう文章が書きたいものです。そんな猛省を促すぐらい読みやすいので、前に紹介した4冊が難しいかも~と思う方は、まずこちらで「基礎」を身に付けてみてはいかがでしょう? そんな意味でもオススメですよ。