■『孤独のグルメ』韓国出張編で五郎さんが食べた豚焼肉

 日本のドラマ『孤独のグルメ』の韓国出張編に登場した食堂『土房(トバン)』は、じつは群山の東方向に位置する全州にある。おすすめは豚焼肉定食(テジプルコギペクパン)。コチュジャン系のタレで炒められた豚焼肉は香ばしく甘さと辛さが絶妙で、これだけでごはんが美味しく食べられる。

 豚焼肉とごはん以外に、副菜として汁物(チョングッジャンorキムチチゲ)、数種のナムル、白菜キムチ、白キムチ(唐辛子を使わない白菜漬け)、目玉焼き、おでん(魚のすり身の煮物)、サンチュなどの葉野菜、生ニンニクなどが並び、どれが主菜なのかわからなくなるほどだ。日本円で1000円ほど(注文は2人前から)で、全羅道の食の豊かさを実感できる。

 地元の人に言わせれば、全州ではこれくらいの質量はあたりまえだとか。全羅道、恐るべしである。

『孤独のグルメ』韓国出張編に登場した店『土房』のテジプルコギ

■朝は全州のコンナムルクッパ(豆モヤシのスープ)

 全羅道の北部は豆モヤシの産地としても有名だ。日本では主菜にはなりにくい食材だが、この地の豆モヤシは大きく食べ応えがあり、栄養価も高い。

 豆モヤシに豊富に含まれるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、肌の新陳代謝を促進し、うるおいを保つ効果があるといわれている。また、アスパラギン酸にはアルコールを分解する効果もあるので、二日酔いのときコンナムルクッパ(豆モヤシスープごはん)を食べる人も多い。全羅北道の中心都市全州には、朝から行列ができる専門店がいくつもある。なかでも『ヒョンデオク』『ウェンイチッ』『サムベクチッ』は有名だ。

全州『ウェンイチプ』のコンナムルクッパ(豆モヤシスープごはん)