Netflixで配信中の『キング・ザ・ランド』で、新たなロマンスキングとしてブームを巻き起こしているジュノ2PM)。そんな彼の魅力と実力が大きく開花したのが、大ヒット王宮ロマンス『赤い袖先』だ。

 朝鮮王朝史に「名君」として名を残すイ・サンの、人生最初で最後の恋を描いた本作。実は、ラブコメディの部分に限っていえば、パク・ソジュンパク・ミニョン主演の大ヒット作『キム秘書はいったい、なぜ?』に重なるものがある。では、どんな部分が共通するのか。

■パク・ソジュン『キム秘書はいったい、なぜ?』と2PMジュノ『赤い袖先』の共通点

『キム秘書はいったい、なぜ?』は、完璧すぎて自分以上に他人を愛せない大企業の副会長イ・ヨンジュン(パク・ソジュン)と、9年にわたり彼に仕えてきた秘書、キム・ミソ(パク・ミニョン)の辞職をめぐる駆け引きを描いた爆笑主従ロマンスだ。

 ヨンジュンとミソの関係は、いわば主人と侍従。主人であるヨンジュンからしたら、ミソは「常に私のもの」「私の味方」「私のそばにいて当然の者」「私の命令には絶対であるべき存在」だ。そんな彼女から、まさかの辞職宣言をされたものだから、ヨンジュンは寝耳に水、なぜ?と困惑してしまう。あげく、彼女が辞めると言い出したのは、自分と結婚したいからだと勘違い。自信たっぷりにプロポーズするも華麗に断られ、あの手この手で引き止め作戦を繰り出していく。

 後継者としての責任とプライドを持つ一方、実は幼い頃のある出来事で心に傷を隠すヨンジュンだが、その扱い方を誰よりも熟知するのがミソだ。仕事面のみならず、プライベートでも何かとサポートしてきたミソを失うと知り、ヨンジュンは初めて彼女の存在の大きさに気づく。秘書など誰がやっても同じと思うものの、新しい秘書では何かが足りないのだ。

 一方のミソだが、9年間続けてきた秘書という仕事を辞める理由は、「自分自身を取り戻すため」。仕事優先でプライベートを犠牲にしてきたミソは、自分らしさって何? 自分の人生って何? と考える時間を欲したのだ。ゆえに、彼女のヨンジュンに対する感情は、単なる主人への忠誠心なのか、そこに愛はあるのか、序盤ではわからない。

 つまり、『キム秘書〜』は、他人を懐疑するゆえ「自分の味方を必要とした副会長」と、副会長を支えることにすべてを捧げつつ、「自分の人生も求めたくなった秘書」の、互いの本心を探すラブコメディだった。

『キム秘書はいったい、なぜ?』(C)STUDIO DRAGON CORPORATION