朝鮮王朝時代の名君イ・サン(正祖)の若き姿を、1人の女性を愛した男としての側面から描いて大ヒットした王宮ロマンス『赤い袖先』。主人公イ・サンを演じたジュノ(2PM)が俳優として名実ともにトップスターの座を確立した本作が、テレビ東京で日本初地上波放送中だ。
気になる2人のロマンスを各話ごとに解説する。(本記事はオリジナル版全17話をもとに紹介。TV放送は日本編集版の全27話。※以下、一部ネタバレあり)
■『赤い袖先』第3話「小さな波紋」
●あらすじ
宮女たちの祭りの晩、王宮に虎が現れる。ソン・ドギムは兼司書(キョムサノ)だと名乗る男が世孫イ・サンとも知らず、彼の頼みを受け、宮女たちを脱出させることに。だが、ドギムの前に虎が姿を見せ、間一髪のところでサンに救われる。
一方、王命を待たずに兵士を動員して虎を捕らえた孫のサンに対し、王・英祖が激昂する。これを聞いたドギムは、虎退治に関わった“兼司書”を案じるが……。
●見どころ
自ら兵を従え、王宮に現れた虎の退治に乗り出すサン。史実でも、イ・サンは弓の名手だったとされており、演じたジュノは監督に願い出て、スタントが演じる予定だった弓のシーンも自ら射ったそう。
それまでは意地悪ばかりだったサンが、ドギムの窮地にすっと現れ、即座に避難させる冷静な動き、弓を引く際のきりりと鋭い眼差しがカッコいい。
一方、ドギムは、虎狩りに加わった者は1人残らず処罰されると聞き、真っ先に“兼司書”を案じる。彼を助けたい一心で行動力を発揮し、なりゆきで王に謁見することになるが、王を前にしても動じず、自分の言い分を主張する度胸はあっぱれだ。
ちなみに、走ってはいけないとされる王宮内で、ドギムはなにかと走り回っており、たびたび上の者に対して大胆な行動に出る。原作の設定でもかなりお転婆だが、監督曰く、もっとも愛された時代劇のヒロインでもある『宮廷女官チャングムの誓い』のチャングムへのオマージュの意味もあったのだそう。