クォン・サンウ主演『ハンガン警察』は、韓国のハンガンを舞台に、そこを流れる川で発生する様々な事件や事故に取り組むハンガン警察チームの活躍を描いたドラマだ。

 第1話でハン・ドゥジン(クォン・サンウ)の同僚のイ・チュンソク(キム・ヒウォン)が、「全世界的に見てもハンガンほど美して大きな川はなく、夜景も美しく公園もある」とハンガンをベタボメするシーンがある。

 このドラマでの「ハンガン」は、都市の名称として使われているが、ソウルの中心を南北に分けるように流れる大河・漢江(ハンガン)にもそれは言えることだ。

 漢江の南側エリアを江南(カンナム)というのに対し、北側エリアは江北(カンボッ)と呼ばれる。物価も高く教育レベルが高いといわれる江南より、気楽に食事やお酒を楽しめる江北の方が個人的には気に入っている。

 そんな江北エリアの中でも、漢江沿いにある麻浦(マポ)区の望遠洞(マンウォンドン)を紹介しよう。

■美しい夜景も楽しめるソウルの漢江沿いの町、望遠洞

 ソウル6号線の望遠駅から南西に徒歩20分ほどの場所に「望遠亭(マンウォンジョン)」という東屋がある。望遠洞の町の名の由来となった場所だ。

 1424年に朝鮮王朝第4代王・世宗の兄である孝寧大君が建てたもの。当初は「喜雨亭(ヒウジョン)」と名付けられたが、1484年に大改修した際に「美しい山河を結ぶ遠くの景色を望む」という意味で、望遠亭に改名したそうだ。

 現在は目の前に幹線道路が走っているが、その奥には漢江を見渡せ、かつてはさぞや美しい景色を楽しめたことだろうと想像する。昨年9月上旬に訪問した時には、望遠亭のすぐそばに咲くサルスベリの花が、入道雲が浮かぶ青空に映え心から癒された。

朝鮮王朝第4代王・世宗の兄である孝寧大君が建てた喜雨亭。後に望遠洞の町名の由来となった望遠亭と改名された
「美しい山河を結ぶ遠くの景色を望む」の意味で望遠亭と改名されたとおり、現在でも美しい眺望が楽しめる