最後に取り上げるのは、若手人気俳優のカン・フンが演じるホン・ドンノだ。『赤い袖先』でもイ・サンの側近として絶大な権力を手にするのだが、本名は洪国栄(ホン・グギョン)と言った。

 彼はとても有能で国政を任せられる人物。イ・サンが信頼したのも当然であった。しかし、実質的に「国王に次ぐ最高実力者」になってから増長してしまった。

 自分の立場を利用して、妹をイ・サンの側室として宮中に送り込んだ。それが元嬪(ウォンビン)である。彼女にイ・サンの子供を産ませて外戚になろうとした洪国栄であったが、元嬪は側室になって1年ほどで亡くなってしまった。

 その後、洪国栄は孝懿(ヒョウィ)王后の暗殺を画策するという信じられない暴挙に手を染め、それが露見して完全に失脚した。本来は処刑される運命であったが、イ・サンの温情で「地方への追放処分」となって命だけは救われた。それは1780年2月のことであった。

 以上の3人が、『赤い袖先』において本名でなく「字」で登場していた。それでも、人物像は史実とまったく同じだった。

●作品情報

『赤い袖先』

[2021年/全17話]※TV放送は全27話

演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ

出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨン、カン・フン、イ・ドクファ

DVD&Blu-ray販売元 ‏: ‎NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン