そんなサンをただ遠くから見守るドギムの思いはいかなるものか。ようやくサンに会えたドギムは、サンの手の火傷を案じる。

「今日1日で何百人もの人に会い、多くの問いを受けた。傷の具合を聞いてくれたのは、お前だけだ」

 そうサンが言うように、ただ純粋に彼の痛みを気にかける存在はドギムのみ。だからこそ、サンもドギムに対して心を決める。

 だが、王となり、欲しいものは何でも自由に手に入るかと思いきや、愛はより難しくなっていく。即位後、政(まつりごと)に没頭し、湯薬を持って待つドギムの姿も目に入らないサン。

 3年後、待たせてばかりのドギムに、サンはついに告げる。宮女ではなく女人としてそばに置きたいと。「家族になりたい」と言い直すサンの言葉は、王ではなく、1人の男としての想いが込められており、ドキドキさせられる。果たしてドギムはどう出る?

 ちなみに、この回、世孫から王になり、サンの衣装も、紺の袞龍袍(コンリョンポ/コルリョンポ)から、龍の紋が刺繍された真紅の袞龍袍へと変わっている。

 宮女の韓服の袖は、この王の袞龍袍と同じ赤い色で染められており、「王の女」の証でもあった。王となったのちの、「王の女」である宮女ドギムの関係性にも注目したい。

●作品情報

『赤い袖先』

[2021年/全17話]※TV放送は日本編集版の全27話

演出:チョン・ジイン、ソン・ヨナ 脚本:チョン・ヘリ

出演:ジュノ(2PM)、イ・セヨンカン・フンイ・ドクファ

DVD&Blu-ray販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン