ディズニープラス スターで配信中の『最悪の悪』。これまでラブコメを通じ甘いマスクでファンを魅了してきたチ・チャンウクが、麻薬の密売ルート解明のために犯罪組織に潜入する刑事パク・ジュンモを演じて話題となっている。

 ジュンモが追うチョン・ギチョル(ウィ・ハジュン)は、クラブの人気DJだったが、江南のドンであるチャン・ジュンサ(チョン・マンシク)に誘われ犯罪組織に入る。

 1年経っても自分の価値を認めないジュンサに腹を立てたギチョルは、「チャン社長を囲む会」を開催すると偽り、ジュンサ一行を旌善(チョンソン)の山奥にあるホテルに誘う。ここで江南のドンの世代交代につながる乱闘シーンが繰り広げられる。

■チ・チャンウク×ウィ・ハジュン共演『最悪の悪』に登場する旌善

 舞台となった旌善は、韓国北東部・江原特別自治道にある。ドラマの殺伐とした場面とは異なり、旌善のバスターミナルに降り立つや、間近に迫る太白(テベク)山脈の山々や中心部を流れる朝陽江(チョヤンガン)という川をはじめ、美しい自然に恵まれた風景に心が洗われる思いがする。

 旌善といえば、朝鮮王朝開国初期に高麗王朝に仕えていた7人のソンビ(学識高く礼節を重んじる理想の両班(ヤンバン=貴族層))たちが、人里離れた旌善に移り住み、故郷への想いや労働の辛さを歌った「旌善アリラン」が有名だ。

 旌善アリラン市場では、毎月2と7の付く日に5日市が開催され、天然のきのこや山菜の販売をはじめ、舞台では旌善アリランも披露されるという。

 市場の中にあるフェドンチッという食堂で食べたチヂミの盛り合わせの美味しさが忘れられない。1葉の白菜に旌善の特産品である蕎麦粉の衣をまとわせて焼いたメムルプチム。そして、ピリッと辛い味付けの千切り大根を蕎麦粉の生地で巻いたメミルチョンビョンは、ふんわりと焼いてあり、まるでカステラのようなソフトな食感。

 香ばしい揚げ焼き加減の緑豆のチヂミもたまらない。そして、甘さ控えめのさつまいも餡をキビの粉の皮で包み焼したススプックミは、デザート感覚で楽しめる。

 韓方薬剤としても使われるファンギ(キバナオウギ)のマッコリは、甘さ控えめでスッキリとした味わいなので、チヂミとの相性がピッタリだ。

 食堂のアジュンマたちがまかないで食べていたカムジャオンシミ(じゃがいものすいとん)をお裾分けしてくれた。食べてみたいと思っていたものだったで、これは嬉しいサービスだ。ニンニクの香りが効いていて食欲をそそる。

蕎麦粉を使ったチヂミの盛り合わせとファンギ(キバナオウギ)のマッコリの組み合わせは最高