■ファン・ジョンミンの出世作『ユア・マイ・サンシャイン』とは?

『ユア・マイ・サンシャイン』でファン・ジョンミンが扮したのは、純朴な農村青年ソクチュン。相手役のチョン・ドヨンが扮したのは風俗嬢ユナ。最初は客とプロの関係だったが、通い詰めるソクチュンの情熱にユナが負け、二人は結ばれる。

 その後、数々の困難が二人を襲う。責任を感じて村を出たユナをどこまでも追いかけるソクチュン。二人はのちに刑務所の仕切り越しに再会する。

 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら仕切りを乗り越えようとするソクチュン。心を閉ざしていたユナも抑えていた感情をあふれさせる。愚直だが美しい場面だ。

 のちの『国際市場で逢いましょう』の主人公役にも通じるファン・ジョンミンのイメージが決定づけられた出世作だ。泥臭いラブストーリーだが、いまどきの韓国ドラマしか観たことのない人にもぜひ観てもらいたい。

ソウル鐘路3街の映画館「CGVピカデリー1958」にレジェンドの一人として掲示されているファン・ジョンミン(中央)。その左は『ユア・マイ・サンシャイン』や『キル・ボクスン』で共演したチョン・ドヨン