■手作り調味料で作る優しい味付けの食事を提供する「おふくろの味」食堂
ここから駱山(ナクサン)公園の入口まで進み、地下鉄4号線の恵化(ヘファ)駅方面へと坂を下っていくと、その途中に看板の上にハンアリ(韓国の甕)が並べられた食堂が見える。ハンハリには、味噌やコチュジャンなど、店主の手作り調味料が入っている。
テーブルが5卓ほどの小さな店だが、次から次へと来客があり、空席がないことを残念がりながら去っていった。
チョングッチャン(納豆スープ)をオーダー後、セルフスタイルのパンチャン(おかず)を口に運ぶ。素材の持ち味を生かした優しい味付けになっているので、おかわりする客が多いのも納得だ。
運ばれてきたチョングッチャンには、団子状に固まった大粒の大豆が見える。大豆の香りが口いっぱいに広がり、幸せな気持ちになる。家族の健康を考えつくられた「おふくろの味」そのものだ。
女主人と厨房を担当する甥の2人3脚で作り出される味は、まるで『ワンダフルワールド』終盤のスヒョンとソンニュルの関係のように滋味深い。