■お粥なのにすごい量! 二日酔い用のお粥も

「お粥なのに量が多いですね~。かえって胃に負担がかかりそうです(笑)」

 これは韓国の専門店で粥を食べた日本人からよく言われる言葉だ。日本の人と30年近い交流経験のある筆者から見ると、韓国男性は日本の男性の2倍食べ、韓国女性は日本の男性並みに食べる。お粥のボリュームもしかりなのである。

 また、最近の粥専門店は他店との差別化のためか、家族をターゲットにして複数注文を狙ってのことか、今までのお粥のイメージから逸脱した商品開発にも余念がない。スマホでお粥チェーン店のメニューを見てみよう。

 たとえば、チャジャン&ソコギヤチェチュク。チャジャンとはチャジャンミョンジャージャー麺)のチャジャンのことで、半々に仕切られた器の片方にチャジャンソースで煮たお粥が、もう片方に牛肉と野菜のお粥が入っている。家族の誰かが保養食としてお粥の配達を頼んだとき、これなら他の家族も便乗できるというわけだ。

 見た目がオレンジ色のナクチキムチチュク(手長ダコとキムチの粥)、チャンポンチュク(激辛ちゃんぽん粥)、ソコギユッケジャン粥(牛肉とユッケジャンの粥)などもある。これは保養食と言うより二日酔い用だなと思ったら、案の定、「解酲推薦(ヘジャンチュチョン)」と書いてある。酔い覚ましにおすすめというわけだ。

 ドラマでは紆余曲折あったが、お粥は無事、ケ・ジウン検事のおなかに収まった。日本のみなさんもこの夏、韓国でお酒や冷たいものを飲み過ぎて体調を崩したら、一度、ホテルの部屋にお粥の配達を頼んでみたらどうだろう。

フードコートで食べた野菜のお粥。副菜もたっぷり添えられる