――アン・ウンジンさんとの相性もすばらしかったですね。
「アン・ウンジンとはすごく息が合ってたと思いますね。僕がウンジンをとても好きなのは、彼女が今どきの若者らしくないからです。人間的にもとてもいい。俳優としても信頼できたしロマンスもうまくいったと思います。信頼と基本的な尊重がなかったら、演技でロマンスをしても、うまくいかなかいものです。もしミスをしても、僕はこの人の演技に対する真心を知っているから、問題ありません。彼女も僕の演技の真心に気づいていたし、互いの目を見ながら、あえて特定の演出しなくても自然なロマンスにつながったんだと思っています」
――アン・ウンジンさんとのシーンの中で、特に記憶に残っているシーンやセリフは？
「名シーンが本当にたくさんありますが、特に青麦畑でキスをするシーンです。日暮れ時に撮影したんですが、カメラ監督が光や色味にこだわってくれて……、とてもきれいな画が撮れたと思います。
ギルチェと再会したとき、彼女のもとに戻ってくると約束したのに、ナム・ヨンジュン（イ・ハクジュ）のせいで長く叶わなかったので、『本当に憎いな』と口にするんですが、そのセリフも記憶に残っています。こういうセリフをどうやって言うんだろう？と思ったほど、とても恥ずかしいシーンだったんですが、多くの方々が気に入ってくださったようで、ありがたかったです。
それと、最後にギルチェが瀋陽での体験を告白した時、『抱きしめてあげないと。 すごく痛かっただろうから』というセリフがあります。あまりにも没頭していて、どのように映ったかとても気になります。そのシーンは台本で読んだだけでもとても美しくて、期待していたんですよ」
ーー演出のキム・ソンヨン監督とは『黒い太陽～コードネーム：アムネシア～』（以下、『黒い太陽』）に続いて、2度目の作品ですね。
「非常に熱心でうまい監督だし、僕も監督に対する信頼感があるので、他に何も必要ありませんでした。僕たち２人の間に何か変化があったとしたら、以前よりさらに親しくなった、それくらいですね。キム・ソンヨン監督が演出すると聞いて、僕はこの作品を選択したと思います」
――メイキングを見ると、監督が直接お手本を見せるシーンがすごく多いようですね。
「監督本人にジャンヒョンが憑依して、現場に到着すると、自分が先にジャンヒョンになっていたりするんです。『黒い太陽』でハン・ジヒョクを演じた時もそうだったんですが、彼のそういうところが、すごく好きなんです。情熱が感じられるじゃないですか。たとえ僕が疲れていても、ほかの人が情熱を見ると力が湧き出てくる。情熱があふれる現場でした」
ーー『恋人』の主人公たちは、愛のために試練や困難に立ち向かっていきました。ナムグン・ミンさんは試練や困難がある時にどうやって克服しますか？
「試練や困難は山ほどありますが、ただ僕は肯定的なほうなんです。うん、こうなったのには、理由があるだろうと。そして、その理由をすぐに見つける。例えば、筋トレ中にもっていたバーベルが足に落ちた。急いで靴下を脱いだら、血は出てるけど折れてはいなかった。だから幸いだと考えるタイプですね。家でのトレーニングだったけれど、スニーカーを履いてたから折れなかった。家だからと裸足でやってたら折れてたはず。よかった、幸いだ。そういう風にちょっとポジティブに考えるんです。それでもしんどい時は、シャワーしながらしゃがみこんで泣くこともありますけどね。でもまあ、ポジティブなほうです」
ーー最後に、これから作品をみる日本の視聴者にメッセージを。
「僕もこれまで、ふとした瞬間から俄然面白くなって、まるで隠しておいた宝石やプレゼントをみつけたような気がするドラマに出合うことがありました。『恋人』もそういうドラマなので、最初から最後まで楽しく見てください」
●ナムグン・ミン Profile
1978年3月12日生まれ。中央大学校機械工学科卒業。大学時代から芸能活動に興味を持ちオーディションを受け続け、2001年映画『バンジージャンプする』でデビュー。下積み生活の後、『私の声が聞こえる』（2011年）で注目され、『キム課長とソ理事〜Bravo! Your Life〜』（2017年）、『ストーブリーグ』（2019年）でを発揮、“外さない男”の異名を取る。
●『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』ストーリー
1636年、春。両班令嬢ユ・ギルチェ（アン・ウンジン）は親友キョン・ウネ（イ・ダイン）の婚約者、ナム・ヨンジュン（イ・ハクジュ）に片想い中だ。だが、花摘祭りの日に現れた謎の男イ・ジャンヒョン（ナムグン・ミン）に付きまとわれるようになり、反発しつつも気になるように。そんな中、清（後金）の軍隊が朝鮮に攻め込んできたという知らせが届く。ヨンジュンら儒生は軍に参加するため村を出発。一方、江華島方面へ避難するギルチェらを見つけた後金軍の魔の手が近づくころ、ジャンヒョンがギルチェを助けにきて……。
●作品情報
『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』
［2023年／全21話］演出：キム・ソンヨン、イ・ハンジュン、チョン・スジン 脚本：ファン・ジニョン
出演：ナムグン・ミン、アン・ウンジン、イ・ハクジュ、イ・ダイン
DVD-SET1〜３ 各14,740円（税込）順次発売中／全21巻順次レンタル中／U-NEXT独占先行配信中
発売・販売元：NBCユニバーサル・エンターテイメント
