Netflix配信の話題作『Missナイト&Missデイ』は、夜は20代、昼は50代を行ったり来たりすることになってしまったヒロイン、ミジン(チョン・ウンジ/Apink、イ・ジョンウン)の物語だ。ファンタジー、コメディ、クライム・サスペンス、人情劇など、あれこれ盛り込み過ぎの感はあるのだが、それがストレスにならない不思議な魅力があるドラマだ。

 それは多分にチョン・ウンジのたたずまいの魅力とイ・ジョンウンの演技力。そして、彼らを取り囲む俳優たちの血の通った演技によるものだろう。今回はそのクライマックスといえる15話の印象的な場面にフォーカスしてみよう。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『Missナイト & Missデイ』危機を脱したイム・スンと親友ガヨンが飲んだマッコリ

 本作15話の中盤、イム・スン(イ・ジョンウン)と親友ガヨン(キム・アヨン)が部屋でマッコリをステンレス製のサバル(お椀)で飲んでいる。透明のボトルが一本半くらい空いているようだ。

 つまみはケータリングしたらしく、大小のプラスチック容器が二つ並んでいる。小さなほうは中身がチラッと映ったので、ジョン(チヂミ)らしいとわかったが、大の容器のほうはまったく中が見えない。チキンの可能性もあるが、それにしては骨らしきものが見当たらない。

 危機は脱したとはいえ、ケ・ジウン刑事(チェ・ジニョク)に対して気後れし、今も夜にならないとミジン(チョン・ウンジ)の姿に戻れないイム・スンはまだ気が晴れない。それを慰めるガヨンのひと言がよかった。

「あんたが友だちで本当に誇らしいよ。これは100%本気。5万%本気」

 唇をふるわせて嬉し泣きするイム・スン。イ・ジョンウンの表情演技が光る一瞬だ。映画『パラサイト 半地下の家族』で、悪魔のような家政婦を演じた女優と同一人物とは思えない。

マッコリをコップで飲ませる店もあるが、少し味気ない
味噌汁茶碗でマッコリを飲ませる店もある