イ・セヨンと坂口健太郎のW主演作『愛のあとにくるもの』は、10月11日からPrime Videoで順に配信されていたが、今は全6話が揃っている。愛をめぐる男女の感受性の違いを抒情的にみせてくれるドラマだった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■イ・セヨン&坂口健太郎W主演『愛のあとにくるもの』で描かれる愛の喜びと切なさ
『愛のあとにくるもの』は、韓国人留学生のチェ・ホン(イ・セヨン)が初めて日本に来て改札口でトラブルに巻き込まれるところから始まる。そのときに助けてくれたのが学生の青木潤吾(坂口健太郎)であり、2人はやがて運命的な恋に落ちていく。
いつもホンの屈託のなさが本当にまぶしかった。彼女は桜が咲く日本の風景を心から楽しみ、同時に、母親の反対を押し切ってまで手に入れた日本での生活を堪能する。もちろん、そこにはいつも寄り添ってくれる潤吾がいた。
このときのイ・セヨンの演技は、桜の花びらが勢いよく舞っていくような快活さがあった。彼女の場合は、大ヒットロマンス史劇『赤い袖先』でもそうだったが、自立して意志を鮮明にするときは表情が本当に生き生きしている。『愛のあとにくるもの』の前半でそういうシーンをたくさん見られたことは大きな収穫であった。
しかし、ホンが潤吾と甘い生活にひたった日々は短かった。育ってきた環境の違いやお互いの表現方法の差異が徐々に溝を作ってしまった。
潤吾がとても誠実な性格であることはよくわかるのだが、言葉が少なすぎたかもしれない。ホンとしては、自分がどのように彼から支えてもらっているかがわからなくなってしまったのだ。
その末の別離となったが、5年後に2人は韓国の空港で再会する。潤吾が恋愛小説の名手として韓国にインタビューとサイン会のためにやってきたのだ。彼を招聘した出版社の編集者がホンであった。