「NAVERマップにしたら?」

 それは数年前からいわれていたことだった。街なかで自分のいる場所を調べたり、店までのルートを調べたり……日本ではGoogleマップに頼っている機能を、ソウルではNAVERマップに鞍替えしたほうがいいというアドバイスだった。

韓国旅行中、スマホで地図を検索するなら圧倒的にNAVERマップが便利

 日本で使っているGoogleマップは、海外でも同じように機能を発揮してくれる。台湾、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、アメリカ、フィリピン……僕がよく訪ねる国では問題なくGoogleマップを使うことができた。

 Googleマップも年を追うように便利になってきた。ただ地図を見たり、道順を調べるだけでなく、そこまで向かう交通機関も表示されるようになった。

 たとえば台北。台北駅から南機場夜市に行こうとする。台北駅で目的地を打ち込むと、地下鉄、バス、徒歩といった選択肢が表示され、バスを選ぶと、近くのバス停にバスがやってくる時刻、ルートなどがたちどころにわかる。それも日本語で表示される。店名を入力すると、地図上の位置、歩くルート、店の営業時間、口コミ……。さまざまな情報が手に入る。日本だけでなく、海外に出ても、スマホにインストールされているGoogleマップは手放せない存在になっていた。

 ところが韓国は違う。駅に降り、目的の店を入力する。店の場所は表示されるのだが、そこまでルートを調べようとすると、

「経路が見つかりません」

 という表示が出てきてしまう。

 ルートが出ないので、地図を頼りに歩きはじめる。自分の位置を調べようとするのだが、そこに示されたマークが、自分の立っている位置とどうも違うことがわかる。というより、自分のいる位置が地図上で動く。場所を探している感じなのだ。

 Googleマップを諦め、交差点などに表示されている通り名や交差点名を頼りに店を探すことは珍しくなかった。


Googleマップではこの画面が出てしまう。経路が表示されない