「韓国は軍事上の問題で、地図を海外に提供していないんですよ」

 知人がそう説明してくれた。最初はGoogleマップの不具合かと思っていたが、その説明で納得した。

 Googleマップがどういう形で地図を入手し、検索機能を加えていくかはわからないが、おおもとの地図が入手できないのなら先に進めない。

 ソウルを歩いていると、あまり意識にのぼってこないが、韓国と北朝鮮の関係の問題だった。韓国のニュースを見ていると、ときどき、北朝鮮のスパイの話が登場する。左翼系の政治家のなかにも、北朝鮮との関係をとり沙汰される人も少なくない。海外に地図を提供しないということは、そういった問題だった。

 しかしNAVERマップは大丈夫なのだという。運営しているNAVERは、韓国の大手ポータルサイトである。NAVERはLINEを開発した会社としても知られている。つまり韓国の会社だから、韓国内での地図は自由に使えるということなのだろうか。

 Googleマップで表視されるような、「経路が見つかりません」問題はまったくないという。

 知人の説明では、ほぼ完璧に日本語にも対応しているという。韓国内に限っての話だが、Googleマップを離れ、NAVERマップにしたほうがいい……というのはそういう意味だった。実際、韓国にしばしばやってくる日本人の多くはNAVERマップを使っているという。

 とくにK-POPなどのコンサートに行くときは必須だとも聞いた。コンサートが終わったとき、観客は地下鉄の駅に殺到する。そのなかでホテルに戻る手段を早くみつけないと、終電を逃してしまうこともあるという。

 しかし年をとってきたせいか、新しいアプリを使うときは、つい、「面倒」と思ってしまう。できれば使いなれたGoogleマップでいきたいのだが、韓国ではそうもいかないのだった。

 昨年、僕も遅まきながらNAVERマップをインストールすることにした。簡単にインストールはできたのだが……。

NAVERマップのインストール画面