Netflix配信グルメ番組『隣の国のグルメイト』は第7話から韓国編に突入。人気バラード歌手ソン・シギョンが『孤独のグルメ』の松重豊を連れて行ったのは、植民地時代から工場街として栄え、かつては漢江南側随一の繁華街だった永登浦(ヨンドゥンポ)のテジカルビ店だった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflix『隣の国のグルメイト』韓国編に登場、永登浦という街
ソン・シギョンのセンスのよさは店選びだけでなく、服装にも表れていた。
7話の舞台は東京で言えば、蒲田、赤羽、錦糸町。大阪で言えば京橋のような、ごった煮的な繁華街、永登浦だ。店は地方出身のハルモニがかいがいしく世話を焼いてくれる庶民派焼肉店。料理はサムギョプサルが流行り始める以前に、庶民の焼肉のメインストリームだったテジカルビ(醤油や味噌ベースの甘辛いタレに漬けこんだ豚肉を焼いたもの)。
今回のソン・シギョンの地味なグレーのジャンパーとジーンズ、スニーカー姿がじつに似つかわしかった。
■テジカルビと葉野菜、テジカルビとごはん、豚皮とソジュ。韓国らしい飲食コントラスト
永登浦の人気店「プイルカルビ」で撮影された食事シーンは、韓国らしい食の「コントラスト」が見せ場だった。
まずはテジカルビと緑の葉野菜のコントラスト。やや甘みのある味付けの豚肉とサンチュやケンニ(えごまの葉)の組み合わせは見た目も味も韓国飲食の国家代表だ。

そして、テジカルビとごはんのコントラスト。ソン・シギョンは後食(フシク=デザート)としてチャトルバギ(牛ともばら肉)入りテンジャンチゲとごはんをすすめるつもりでいたはずだが、松重が早々にテジカルビの味にはごはんが合うと気づき、すぐ注文したところが日本人らしい。
筆者は日本に留学して焼肉店でアルバイトしていたとき、客の多くが焼肉でごはんを食べているのを見て違和感を覚えたことがある。しかし、自分でやってみると日本の美味しい米と、日本の焼肉の甘めの付けダレは相性抜群ですぐ腑に落ちた。
