Netflix配信の日韓食べ歩き番組『隣の国のグルメイト』12話では、ソン・シギョンが“マッチゲさん”こと松重豊を、江南エリア(ソウルを横断する漢江の南側)にある人気店「漢誠(ハンソン)カルグクス」に案内した。

 今回はソン・シギョンのセンスがとくに光る店選びだった。おそらくこれまで登場したソウルの飲食店のなかでも、もっとも日本の視聴者が行ってみたくなったところではないだろうか? 

■Netflix『隣の国のグルメイト』でソン・シギョンがマッチゲさんを案内するソウルの飲食店、日本人が喜ぶ店はどんな店?

 1983年創業の「漢誠カルグクス」は、店名通り、カルグクス(カルククスうどん風の料理)がメインかと思ったら、そうとも言えないらしく、牛や豚のスユク(茹で肉)やジョン(チヂミ)、ナクチポックム(タコの激辛炒め)など麺以外のメニューが豊富な店だった。

 日本の人は日常的にファミレスや居酒屋を利用しているので、メニューが多い店が喜ばれる。しかし、韓国にはひとつの料理の専門店が多く、鍋をみんなでつつくようなスタイルが一般的だ。そういう店に日本のグループを案内すると、一人ひとりの満足度に差が出てきてしまう。

 その意味で、30種類もの料理がテーブルいっぱいに並ぶ「韓定食(ハンジョンシク)」は日本人に喜んでもらえそうなものだが、そこは「帯に短し、たすきに長し」。韓国人の筆者が過去に案内した日本人のなかには、「残すまいと一皿ひとさら律儀に食べていたら、すべての料理に箸をつける前におなかがいっぱいになってしまった」という人がけっこういた。

 韓定食は “王様の御前” がコンセプトなので、残されることを前提に作られているようなところがあるのだ。また、料理の種類が多過ぎるので、「何を食べたのか逆に印象に残らない」という感想をもつ人も少なくなかった。

食の都、全州で食べた韓定食。前菜だけで9種類も!
全州で食べた韓定食の主菜。左上にはジョンも