それ以降、益善洞には洗練されたカフェ、レストランバー、ブティックなどが続々とでき、一気にホットスポットへと変貌してゆく。その賑わいは低層建築版の明洞、日本で言うなら原宿竹下通りさながらだった。

 益善洞が週末だけでなく平日も若者で賑わうようになると、屋台街の客層も女子会やカップルに変わっていった。筆者は日本からの旅行者の飲み歩きによく同行しているのだが、最近は週末ともなると若者と外国人観光客でごった返している。その賑わいはナイトマーケットで有名な台湾の士林夜市に匹敵するだろう。

住宅街然としていた頃の益善洞(2014年)
2025年の益善洞(上の写真と同じ場所)
2024年の益善洞。伝統家屋を改装した店舗であることがわかる

●鐘路3街の基本情報

 中高年男性の憩いの場(タプコル公園)、屋台街(鍾路3街駅3~6番出入口付近、観水洞付近)、スタイリッシュなカフェレストラン街(益善洞、西スンラギル)、ゲイバーが並ぶ路地(楽園洞北部)、ドヤ街(敦義洞南部)などが共存するカオスな街だ。

 ここ数年、日本のガイドブックに登場するようになった古民家を改装したカフェレストラン街・益善洞は鐘路3街エリアの中心部にある。法定洞としては、楽園洞、敦義洞、益善洞、鳳翼洞、廟洞、臥龍洞、観農洞、雲泥洞、慶雲洞、観水洞が鐘路3街に含まれる。